研究課題/領域番号 |
20K10339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2023) 旭川医科大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
石川 洋子 兵庫医科大学, 看護学部, 講師 (30550660)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 治療であるという誤解 / 治癒への期待 / インフォームド・コンセント / 自律尊重 / 脆弱性 / 治療者と研究者の役割 / 被験者の心理 / 誤解 / 理解 / 倫理的義務 / がん臨床試験 / インフォームドコンセント / コミュニケーション / 二重の役割 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、がん臨床試験におけるインフォームド・コンセント(以下I.C)のサポート体制の構築を目指し、がん患者である被験者の「治療であるという誤解」に応えるべく正面から向き合い、医療者である研究者の倫理的なあり方を探求する。そのため、 ①がん臨床試験に携わった経験を持つ医療者を対象に、臨床試験のI.Cを得る過程での経験を明らかにする。 ②「治療であるという誤解」「医療者と研究者の二重の役割間の葛藤」に焦点化したシステマティックレビューを行う。 ③上記で明らかになった成果を統合し、「治療であるという誤解」が潜在化するがん臨床試験において被験者にとって最善のI.Cのあり方に向けた倫理的な提案を追求する。
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研究成果の概要 |
本研究は、「治療であるという誤解」について哲学・倫理学の領域から検討を行い、臨床試験における質の高いインフォームド・コンセントについて検討を行った。具体的には、「治療であるという誤解」はがん患者にとって心理的に不可避であり、多くのがん患者は治癒を見込めず、それゆえ病状や予後の改善に効果的な治療を求める。彼らが臨床試験に参加する理由は効果的な治療への希望と期待であるため、自律尊重原則だけでなく、その脆弱さに配慮した、研究と治療ケアの双方のサポートが必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで「治療であるという誤解」は、治療と研究の違いを適切に理解できない、研究対象者の理解不足、誤解を招くシステムや環境要因などが検討されてきた。しかしながらがん患者の多くは治癒が見込めない上に、自己の利益を度外視し、治癒を期待せず一般的知識の獲得のために研究に参加することを求められる、特別な配慮を必要とする存在である。本研究はがん臨床試験における「治療であるという誤解」の特性を明らかにし、がん患者の臨床試験参加におけるインフォームド・コンセントのプロセスにおいて、根本的な研究者の役割と治療ケアの双方について目指す方向性を示した。この点に学術的・社会的意義がある。
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