研究課題/領域番号 |
20K10340
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 (2022-2023) 千葉大学 (2021) 筑波大学 (2020) |
研究代表者 |
森 隆浩 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (50384780)
|
研究分担者 |
田宮 菜奈子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20236748)
藤井 朋子 国士舘大学, 体育学部, 教授 (40793089)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 大腿骨骨折 / 骨粗鬆症 / 脆弱性大腿骨近位部骨折 / 骨粗鬆症薬物治療 / 年間医療費 / 費用対効果分析 / 医療経済学 / テリパラチド / 骨折予防 / 医療介護レセプト研究 / 超高齢化社会 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国にて医療・介護費の総額は年間52兆円を超え(2017年度)、大きな社会問題である。また骨粗鬆症の有病者数は約1280万人と推定されており、骨折は要介護に至る主因であり医療・介護費の増大をもたらす。
我が国では骨折予防に関する費用対効果分析に必要なパラメーター(骨折の医療・介護費や治療薬の継続率など)の先行研究が不足している。本研究では医療・介護レセプト(地方自治体、全国)を用いて骨折に関するパラメーターの算出を進め、その結果を用い骨折予防に関する費用対効果分析を実施する。
本研究は、超高齢社会における骨折予防に関して医療経済学の視点からエビデンスの蓄積に貢献する。
|
研究実績の概要 |
最終年度は、大腿骨近位部骨折後の骨粗鬆症薬物治療開始の有無に関連する要因を検討した。茨城県つくば市から提供された国民健康保険と後期高齢者医療制度の医療レセプト、介護保険レセプト、介護保険認定調査データを用いた。2014年10月から2017年12月に大腿骨近位部骨折に対する手術を受けた65歳以上の男女のうち、手術前3ヶ月間に薬物治療の無かった患者を対象とした。手術後1年以内の薬物治療の有無と、個人要因、ヘルスサービス関連要因との関連を多変量ロジスティック回帰モデルで検討した。大腿骨近位部骨折患者は275人、平均83.9歳、男性26%で、51%に認知症があり、42%が回復期リハビリ病棟に入院していた。40%は術後1年以内に少なくとも1回骨粗鬆症治療薬が処方されていた。男性 (オッズ比OR=4.49 [95%信頼区間2.14-9.44])と認知症 (OR=1.90 [1.03-3.52])は術後1年以内に薬物治療の無いことと関連していた。手術年が遅いこと(OR=0.64 [0.48-0.87])と回復期リハビリ病棟への入院(OR=0.25 [0.14-0.46])は治療が開始されることと関連があった。
大腿骨近位部骨折患者のうち男性や認知症のある患者では骨粗鬆症薬物治療が開始されにくい傾向がみられたが、これらの患者も2次骨折のリスクがあり薬物治療の適応について検討が必要であると考えられる。また回復期リハビリテーション病棟へ入院した患者では、骨粗鬆症薬物治療へよりつなげられやすい可能性が示唆された。
研究期間全体を通じて、我が国の超高齢社会における骨折予防に関するエビデンスの蓄積に貢献することが出来た。
|