研究課題/領域番号 |
20K10345
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長尾 美紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (80523993)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 病院環境 / 薬剤耐性菌 / 環境整備 / 細菌叢 / 院内感染対策 / 病院清掃 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤耐性対策のためには、ヒトのみならず動植物・環境に対し包括的な対策を講じる必要がある。本プロジェクトでは、新規に建設された病棟をフィールドに、水周りの環境整備手法と薬剤耐性遺伝子、そして遺伝子授受の土台となるバイオフィルムの関連を調査することを目的に計画された。異なる管理方法で施設を清掃・保守した場合の、マイクロビオームと耐性遺伝子の変遷を確認する。また、薬剤耐性菌が実際に検出されている患者病室に於いて特定の方法で清掃した場合の汚染状況の調査することで、有効性の評価をする。医療の水周り環境から生活環境への薬剤耐性遺伝子の伝播を防ぐ手法を確立することをゴールとしている。
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研究成果の概要 |
薬剤耐性対策のためには、ヒトのみならず動植物・環境に対し包括的な対策を講じる必要がある。本プロジェクトでは、新規に建設された病棟をフィールドに、水周りの環境整備手法と薬剤耐性菌、そしてレジストーム授受の土台となるバイオフィルムの関連を調査することを目的に計画された。フロアごとに異なる管理方法で清掃・保守された患者の療養環境について、マイクロビオームとレジストームの変遷を確認した。また、薬剤耐性菌が実際に検出されている患者病室に於いて特定の方法で清掃した場合の汚染状況を調査した。その結果、水回りの細菌叢や菌量は清掃法や薬剤耐性菌の検出状況よりも使用頻度や築年数に依存することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では、シンクやシャワーの汚染に伴う多剤耐性菌のアウトブレイク報告や、配管へのレジオネラ定着による院内感染の事例が報告されている。また、欧米では、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌によるアウトブレイクが社会的な問題となっており、環境汚染との関連について多数の報告があるが、定期的なサンプリングを行って清掃法と細菌叢の変遷を確認した研究はなく、学術的に重要な基礎データを得ることができた。本研究成果を元に、企業や清掃業者と連携し、さらなる環境整備の改良につなげることができるようになったという点で社会的な意義も高い。
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