研究課題/領域番号 |
20K10364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
作間 未織 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60349587)
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研究分担者 |
井田 博幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90167255)
森本 剛 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30378640)
武内 治郎 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60791324)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 薬剤性有害事象 / 薬剤関連エラー / 小児 / 医療の質 / 予測モデル / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
欧米を中心に医療安全に関する様々な研究や対策が精力的に実施されているが、依然として医療安全は世界的に喫緊の課題である。医原性有害事象の発生頻度を減らすには、それらの発生状況や重症度、エラーの有無など、各事象固有の特性を明らかにし、何がどのような患者に起こりやすいのか、事象特性に応じた患者リスクの同定が不可欠である。研究代表者は、より効果的な医原性有害事象予防を目的に、医原性有害事象のうち最も頻度が高い薬剤性有害事象に注目し、本邦の小児入院患者における薬剤性有害事象並びに薬剤関連エラーの詳細な分析による事象特性の解明と、その事象特性に応じた発生予測モデルの作成及びモデル精度の検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、小児入院患者においても高頻度で発生していることが明らかになりつつある医原性有害事象の中で、特に頻度が高い薬剤性有害事象に着目し、小児入院患者における薬剤性有害事象並びに薬剤関連エラーの詳細な臨床疫学を明らかにし、そこから得られた知見を基に事象特性に応じた発生予測モデルを作成し、事象の予防又は緩和可能性を検討することを目的として、研究を実施している。 本年度は、医師レビュー終了後の全データの入力を完了し、データのロジカルチェック及びデータクリーニングを研究計画通りに実施、モデル作成と検証のためのデータベースを完成させた。データ固定したデータベースの対象患者数は、それぞれ、モデル作成のためのデータベースが全1189人(総患者日12691日)、モデル検証のためのデータベースが全1126人(総患者日12624日)であった。モデル作成のためのデータベースの対象患者背景は、男児が649名(55%)、年齢中央値が2歳(四分位:0-7歳)、全体の59%(704人)が小児科病棟に入院しており、入院中に何らかの手術を受けた患者の割合は25%(294名)であった。モデル検証のためのデータベースの対象患者背景は、男児が639名(57%)、年齢中央値が3歳(四分位:1-7)、全体の87%(976人)が小児科病棟に入院しており、入院中に何らかの手術を受けた患者の割合は35%(391名)であった。また、モデル作成用データベースの対象患者1189人において、薬剤性有害事象480件を同定し、更に、このうち8%にあたる36件が、薬剤関連エラーが関与して生じる薬剤性有害事象であることが明らかとなった。 今後は、完成したデータベースを用いて薬剤性有害事象、薬剤関連エラーの特性を更に詳細に解析し、その結果を基に、事象に応じた各種発生予測モデルの作成と、それらモデルの精度検証を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデル作成及びモデル検証のためのデータベースは予定通り完成した。全対象患者2315人のデータを全て確認し、全イベントについてロジカルチェックを行ったため、医師レビュー終了後のデータベース作成についても予想を大幅に上回る作業量が発生し、人的・時間的資源を要したため、モデル作成及び精度検証は次年度に持ち越すこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りモデル作成用データベースが完成したため、研究計画に沿って、薬剤性有害事象、薬剤関連エラーの更に詳細な分析を行い、事象特性に応じたハイリスク患者を予測する各種発生予測モデルを作成し、それらの精度検証を行う。これらのモデルを基に、小児の医療現場における事象の予防又は緩和可能性について検討し、最終的な研究目的に迫っていく。
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