研究課題/領域番号 |
20K10365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山内 圭子 久留米大学, 医学部, 講師 (50304514)
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研究分担者 |
中島 充代 福岡大学, 医学部, 教授 (60320389)
原 頼子 久留米大学, 医学部, 教授 (60289501)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん / がん患者指導管理料 / 療養・就労両立支援指導料 / 乳がん / サポート・ニーズ / サポート・グループ / 参加バリア |
研究開始時の研究の概要 |
がんとの共生を円滑に進めるためには、同じような体験をした仲間(ピア)による相談支援や情報提供が重要であると示される一方で、ピア・サポートが患者の支援として定着していない。本研究は、ピア・サポートが普及しない原因の一つが、患者が必要とするサポートが経時的、また診断時の年齢等で変化するために生じる「受けられるサポートと患者のニーズの隔たり」だと考え、乳がん患者と乳がんピア・サポート・グループ運営者の二つの視点からこれを検証する。結果は、診断からの時期や年齢、がんのステージに応じたピア・サポートの提供、あるいは享受を促すアプローチの基礎情報となる。
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研究実績の概要 |
本研究は、乳がん患者にピア・サポートが普及しない原因に、患者が必要とするサポートが経時的、また診断時の年齢等で変化するために生じる「受けられるサポートと患者のニーズの隔たり」があると考え、患者とサポート・グループ運営者の二つの視点からそれを検証することを目的とした。申請時の研究計画は両者への半構造化インタビューとその解析であったが、新型コロナウイルス感染拡大のため、令和2年、3年はインタビューを断念した。令和4年度は新型コロナウイルス感染が落ち着いた時期があったため、当初の計画通りに乳がん患者とサポート・グループ運営者へのインタビューを、対面からインターネットに変更して実施することを考えた。しかし、研究計画時に研究協力をお願いしていた乳がんの患者会、患者支援団体に連絡したところ、新型コロナウイルス感染の流行により、活動を停止したままである、または縮小して活動しているというところが多く、インタビューには応じられないという回答がほとんどであった。この現実を踏まえて、研究計画を、政府統計を用いて「がんとの共生」に関する保険診療の現状と動向を示すに変更した。令和4年度は、社会医療行為別統計を用いて、「がん患者指導管理料(ロ)医師又は看護師が心理的不安を軽減するための面接を行った場合」および「療養・就労両立支援指導料」の診療報酬算定数の年次推移、保険者別、年齢階級別算定数の比較を行った。がん患者指導管理料の件数は、制度が始まった2014年に比較して2021年は約6倍に増加していた。年齢階級別にみると、実施件数の8割以上が60代以上であった。「療養・就労両立支援指導料」の制度は2018年に始まり、2020年に脳血管疾患、肝疾患、指定難病が対象に加わっている。2021年の実施件数(推計)は1,320件であり、医療保険が適用される就労支援が活用されていないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画は乳がん患者と患者会運営者へのインタビューであったが、新型コロナウイルス感染の流行により、計画時に協力同意を得ていた乳がん患者会からの研究協力を断られ、インタビューの実施は難しいと判断した。そこで、研究計画を、政府統計を用いて「がんとの共生」に関する保険診療の現状と動向から課題を抽出することに変更した。政府統計の内容確認等に想定以上の時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
協会けんぽ等のデータを用い、医療保険が適用される心理的支援(がん患者指導管理料)、就労支援(療養・就労両立支援指導料)の利用に年齢差、性差、地域差、がん種による差がないか調べ、医療保険を使用できるがんの社会的、心理的支援使用の不均等を明らかにする。
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