研究課題/領域番号 |
20K10371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 和洋女子大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
豊川 智之 和洋女子大学, 看護学部, 教授 (40345046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 医療ネットワーク / 医療へのアクセス / 地域包括ケア / 健康医療政策学 / シミュレーション / MAS / システムダイナミクス / Multi Agent System / System Dynamics / 複雑系 |
研究開始時の研究の概要 |
令和2年度(1)ネットワーク理論に基づくMASによるシミュレーションに関するレビュー(2)地域包括ケアの根幹を成す多職種間ネットワークのスモールワールド性を評価する 令和3年度以降(1)地域包括ケアネットワークのシミュレーションモデルの作成し、スモールワールド性の点から将来予測を行う(2)地域医療構想にシステムダイナミクスによるシミュレーションモデルを作成し、システム転換の効果を評価する
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研究実績の概要 |
地域包括ケアと地域医療構想に関する研究として、小児と周産期の医療とネットワークに関する分析を中心に研究を行った。 第94回日本衛生学会総会(鹿児島)において学会発表を行った研究で、出産後から、5歳児健診までの乳幼児健診のデータを用いて、発達障害・情緒障害の経過観察あるいは加療が必要と判断されて児に着目した研究である。特に、母親の育児あるいは子供への発達障害不安の予測について分析し、高い予測能があることが示され、医療へのアクセスおよび医療ネットワーク、そして地域包括ケアへ早期に繋げることの重要性を示す報告を行った(豊川智之,他:5歳児健診での発達障害・情緒障害の経過観察児と3歳児健診における母親の不安)。 Am J Obstet Gynecol誌に掲載された研究は、早産児における重度の脳性麻痺の胎児心拍数の進化と脳画像所見について着目した研究で、胎児心拍数のモニタリングが脳性麻痺の発生を効果的に減らす明確な証拠はまだないことから行った研究である。胎児心拍数の進化パターンに基づいて脳性麻痺と出産との因果関係や脳損傷のタイミングを推定し、必要に応じて医療ネットワークに繋げることの重要性を示すことに貢献する研究である。脳性麻痺の57%の乳児が胎児期に発症し、13%の乳児が分娩中の侵害によって引き起こされたと推定され、早産児における脳性麻痺の原因となる脳損傷のタイミングとタイプを示唆することができ、早期発見から周産期医療ネットワークに繋げることで、脳性麻痺の予防につながる研究であった(Nakao et al: Fetal heart rate evolution and brain imaging findings in preterm infants with severe cerebral palsy. Am J Obstet Gynecol 228(5): 583.e1-583.e14, 2023.doi: 10.1016/j.ajog.2022.11.1277)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症流行によりネットワーク分析の技術的セミナー受講が叶わなかった。分析可能な範囲でのネットワーク面の分析により研究成果を蓄積に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
残された研究期間において当初の計画に近い研究成果物の公表に努める。
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