研究課題/領域番号 |
20K10380
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岡本 真一郎 熊本大学, 病院, 特任講師 (20419633)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 血液培養 / 感染対策 / 抗菌薬適正使用 / 医療情報システム |
研究開始時の研究の概要 |
血液培養は病院内発熱患者のfever workupとして実施が推奨され、敗血症・菌血症の診断、治療に重要な検査である。血液培養検査実施率は管理水準の指標として用いられるが我が国の実施率は概ね欧米の水準値より低く、その原因として海外との医療環境の差異による影響が指摘されている。 本研究では入院患者の発熱を医療情報システムより網羅的に抽出することにより発熱と血液培養検査実施の関連性を解析し、医療水準を反映しうるより客観性の高い管理指標の算出を目指すとともに、電子医療情報からの感染症リスク患者早期スクリーニング法の構築を目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究では入院患者の体温記録を医療情報システムより網羅的に抽出することにより入院患者の病院内発熱の頻度を算出し、病院内発熱と菌血症の関連について、1)発熱イベント発生時に入院患者の血液培養検査が適正に実施されているかを発熱イベント発生に対する血液培養実施率で評価し、医療水準を反映しうるより客観性の高い管理指標の算出すること、2)発熱イベント発生から血液培養検体採取までの期間を算出し、血液培養実施タイミングの適正度について血液培養検体採取タイミング別の血液培養検査の陽性率、薬剤耐性を含む分離同定菌のプロファイル、および患者転帰の比較検討を行うこと、3)発熱イベント発生・血液培養陽性と手術、内視鏡等の侵襲的検査を含むリスク要因との関連性について解析すること、4)さらにこれらの解析結果より電子医療情報から血流感染症リスク患者をより早期にスクリーニングしより適正な血液培養実施を可能とするような指標を見出すこと目的としている。 令和4年度は発熱イベント、血液培養検査実施及び検出菌情報、手術、内視鏡検査のデータ収集を完了し関連解析を進めた。症例全体では発熱イベント発生日からの初回血液培養採取期間が長い例で多剤耐性菌、真菌の検出リスクが高い傾向が示されており、全身麻酔手術、内視鏡検査などの侵襲的検査の実施情報等、他の因子との関連性検討を進めている。一方で、血液培養検出菌のうち汚染菌の判定について、当初事前定義に基づく自動判定を用いていたが、臨床的判断による判定とした場合との汚染率の乖離についても検討する必要が生じ、血液培養陽性例の追加解析に時間を要した
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度も引き続き新型コロナウイルス感染症流行による業務負担が大きく、追加情報収集の必要性も生じ、十分な研究時間を確保することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
後方視的解析に必要なデータ集積は完了しており。引き続き集積データからの発熱イベント、血液培養陽性とその他関係因子との関連性解析を進める。
|