研究課題/領域番号 |
20K10385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
小川 俊夫 摂南大学, 農学部, 教授 (40570974)
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研究分担者 |
祖父江 友孝 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50270674)
阪口 博政 金沢大学, 経済学経営学系, 准教授 (60757516)
喜多村 祐里 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (90294074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | がん診療 / 地域連携 / がん検診 / レセプト / 保険者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、保険者が保有するレセプトなど各種情報を用いてがん診療の地域連携の実態を把握し、地域連携実現の要因や効果について検証するとともに、効果的ながん診療の提供体制のあり方を検討することを目的として実施する。本研究の分析対象は、全国健康保険協会4支部の加入者約1,086万人とし、先行研究で確立した分析用データベース及び大規模コホート構築とレセプトを用いたがん患者の抽出手法を活用し、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がん患者をそれぞれ抽出し、がん診療の地域連携の実態や要因、効果について多角的な分析を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究は、がん診療の地域連携の実態とその効果を明らかにすることを目的として、先行研究で構築した全国健康保険協会(以下、協会けんぽ)が保有するレセプトなど各種データを収載した分析用DBと大規模コホートを活用・拡張し、また先行研究で確立したがん患者の特定手法を用いて、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの各種がん患者をレセプトを用いて抽出し、がん診療の地域連携の実態について、受療医療機関別、医療圏別、がん部位別、初発・再発がん別など多角的な分析を実施する。さらに、地域連携の実現に影響を与えた要因を明らかにするほか、がん診療の地域連携の医療費や予後に与える効果についても分析を行う。これらの分析を通じて、わが国におけるがん診療の実態を地域連携の視点から精緻に明らかにするとともに、地域医療構想の視点からがん医療のあり方について考察し、政策提言を行うための基礎資料を作成する。 研究3年目の本年度は、昨年度に引き続き協会けんぽ支部の参加による研究班を組織したほか、参加支部のデータを連結して大規模コホート構築に向けた準備を行った。また、先行研究の手法を応用し、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんのがん患者の抽出を実施したほか、地域連携の実態把握の一環としてがん検診に着目し、レセプトとがん検診を用いてがん精密検査受診の把握ロジックの構築を試みた。今後、大規模コホートを用いて、地域ごとのがん検診受診状況やがん検診ががん医療や地域連携に与える影響について分析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究3年目の本年度は、先行研究の手法を応用し、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんのがん患者の抽出を実施し、その妥当性についても確認を行った。また、地域連携に影響を与える要因としてがん検診に着目し、保険者保有のがん検診データとレセプトを用いたがん精密検査受診状況を把握するロジックを構築した。昨年度までは、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあったが、本年度は分析を実施し、地域連携について考察のための準備を行なった。研究3年目は、レセプトとがん検診結果よりがん検診のがん医療に与える影響について分析するための手法の検討を行った。特に、がん検診陽性者のがん精密検査受診の把握ロジックの開発を行い、がん精密検査を含めた地域連携の実態について分析するための基盤づくりを行った。そのため、がん検診の影響を含めた地域連携の分析は次年度になったが、さらなる成果の創出のため研究期間を延長した。研究全体としては概ね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目の本年度は、がん診療の地域連携の実態分析、要因分析、影響分析それぞれについて、がん検診を中心に分析を実施してきた。がん診療の実態はある程度明らかになったが、がん診療の地域連携の実態についてはさらなる分析が必要であり、さらにがん検診の影響については、本年度は分析手法の確立に注力したため、大規模コホートを用いた分析は未実施である。そのため、本年度研究はおおむね順調に進行したものの、分析作業を次年度も実施する予定であり、研究費としても次年度に繰り越すこととなった。
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