研究課題/領域番号 |
20K10390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
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研究分担者 |
根東 義明 日本大学, 医学部, 教授 (00221250)
渋谷 昭子 日本大学, 医学部, 助教 (20611619)
市川 理恵 日本大学, 医学部, 助教 (00826761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 医療の質 / 医療の質評価 / 頭部外傷 / 予後予測モデル / 臨床評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、頭部外傷領域において、リスク因子に基づく予後予測モデルとして実績のある TRISS、CRASH、IMPACTという3つの手法について、日本での適応状況を検証することである。また、その結果を踏まえ、重症頭部外傷領域における日本の現状に最適な予後予測モデルを策定することである。 研究方法については、最初に、JNTDBのデータを用い、TRISS等の各モデルの手法に基づき個々の症例の予後の予測結果を推計する。ロジスティック回帰分析を行い、AUCを算定することにより予測精度を評価する。次に、モデルの予測精度および臨床面での実用性等を踏まえてリスク因子を選定し、予測モデルを策定する。
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研究成果の概要 |
頭部外傷領域において、リスク因子に基づく予後予測モデルであるTRISS、CRASH、IMPACTモデルについて日本での適応状況を検証した。用いたデータはJNTDBプロジェクト2015データセットである。 退院時生存率についての分析症例数は734件、TRISSのAUCは0.66であった。受傷後6か月の時点の予後についての分析症例数は598件、AUCは、CRASH basic 0.86、CRASH CT 0.86、IMPACT core 0.83、IMPACT extended 0.85であった。いずれも比較的高い値を示しており、これらの予測モデルは日本の重症頭部外傷の評価に有効である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
患者に提供される治療等は漸次進歩しており、医療の質の評価モデルは、その時代の医療水準や社会環境等を反映したものでなければならない。本研究は新しいデータをもとに先行研究を再検証アップデートしたものであり学術研究として必要なものである。今後の研究においてAI活用の方向性を示すことも学術的に意義があると考える。 予測モデルにより患者病態の均質化を図ることにより、その症例に提供された医療機能の評価が可能となる。地域毎に、医療機関の偏在、搬送所要時間の抑制、人材の確保、機器設備の確保、治療等のスキルレベルの確保などの課題の状況を具体的に検討し改善につなげる前提として、本研究の社会的意義は高いと考える。
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