研究課題/領域番号 |
20K10397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 宏子 (小池 宏子 / 岡田宏子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30849352)
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研究分担者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
奥原 剛 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70770030)
上野 治香 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (40740668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | リスク認知 / リスクコミュニケーション / 医療意思決定 / リスク認知バイアス / 医療コミュニケーション / 代理意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
患者の診断や治療に対するリスクの捉え方にはバイアス(歪み)が伴うことが知られている。したがって、医師の情報の伝え方によっては患者のリスクの解釈に歪みが生じ、医師-患者間でリスクの程度の認識に不一致が生じることが明らかにされている。一方で、日本では患者の治療などの意思決定に「家族」が強く影響を及ぼすとされているものの、「家族」の立場で患者の医療情報に接した場合、どのようにリスクを捉えるのかは明らかになっていない。本研究では「家族」の立場から患者の診断・治療に関する情報に接した際の、家族の診断・治療のリスクの捉え方と、それに影響する因子を医療者、患者、家族を対象とした調査を通して比較検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①「家族」の立場から家族員の疾患に関する確率情報に接した際の、疾患や治療(予防)へのリスク認知の傾向と認知バイアスの実際、それに影響する因子を明らかにする、②疾患・治療(予防)に関する情報の伝え方による市民、その家族のリスク認知の違いを検証し、それぞれの認知傾向に適した情報提供方法を明らかにする、③市民(患者)とその家族の認知的側面に焦点を当てたリスクコミュニケーション技法を開発することであった。 3年目である2023年度は、昨年度までに収集した全3回分の縦断データの解析をすすめた。COVID-19に対する、リスク認知と予防行動に対する認識が、本人が自身に対して評価する場合とその家族に対して評価する場合に異なることが明らかになった。また、本研究の目的の一つである「疾患や予防についての情報や情報発信源に対する認識とリスクに対する認識、予防行動に対する認識を明らかにする」に対するリサーチクエスチョンの沿った解析を行った。その結果、長期にわたる新興感染症流行下において、社会的距離や換気、手洗いなどの予防行動については、医師や感染経験者の発信した情報を信頼している人がより予防行動に従事することが示唆され、これについて論文を執筆し公表した。さらに、ワクチン接種については、診察で接する主治医への信頼があることが促進要因であることが示唆された。これらについても、論文を執筆し公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症流行に伴って計画修正は迫られたものの、必要な調査は全て完了した。計画に沿った解析もほぼ完了し、一部論文化もできている。残り数件のリサーチクエスチョンに対する解析と結果のまとめ、論文公表が残っている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であるため、残りのリサーチクエスチョンに対する解析を限りすすめ、結果をまとめて、医療や公衆衛生専門家が活用可能なリスク情報の伝達におけるポイントとして公表する。具体的には、目的の1つであった「市民(患者)の疾患や治療(予防)に対する家族のリスク認識を明らかにする」に対する解析、結果のまとめ、公表を残しているため完了させる。
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