研究課題/領域番号 |
20K10413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
押淵 英弘 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (90568073)
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研究分担者 |
高野 公輔 東京女子医科大学, 医学部, 臨床心理士 (00866171)
筒井 順子 田園調布学園大学, 人間科学部, 准教授 (20363624)
赤穂 理絵 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60627636)
小林 清香 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (40439807)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 臓器移植 / 心理社会的要因 / 評価尺度 / メンタルヘルス / 予後 / 心理社会的評価 / 心理社会的面接 / レシピエント / 意思決定支援 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人臓器移植候補者の治療選択と予後を支援できる心理評価尺度を開発する。そのために、1)欧米で使用されている臓器移植前心理社会的評価尺度を利用して日本人での妥当性を検証し、2)臓器移植候補者の意思決定の安定度や生命予後と背景因子(年齢・認知機能・心理状態、文化・宗教・家族背景など)との関連性を分析する。
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研究実績の概要 |
本研究は、スタンフォート大学で作成された臓器移植レシピエント候補者のための心理社会的評価尺度The Stanford Integrated Psychosocial Assessment for Transplantation(以下 SIPAT)の日本語版を作成し、本邦で運用することである。昨年度までに、データクリーニングとデータベース構築を行ない、内的妥当性と外的妥当性を検証し、国際雑誌において論文化した(PMID:3486909)。2023年度は、予後予測妥当性の検証結果をまとめ国際雑誌において論文化した (PMID: 37778460.)。当該論文の内容は以下である。173 人の生体腎移植患者(LKT)レシピエント (年齢中央値 51 歳 [38-59]) を対象とした。身体的複合アウトカムは 25 件 (14.5%)、精神的アウトカムは 9 件 (5.2%)、非遵守行動は 17 件 (9.8%) であった。 SIPAT C (オッズ比 = 1.34、95%信頼区間 = 1.06-1.72、P = 0.02) は精神医学的転帰と有意に関連していた。 SIPAT B (オッズ比 = 1.49、95% 信頼区間 = 1.12-1.98、P = 0.01) および SIPAT 合計 (オッズ比 = 1.13、95% 信頼区間 = 1.03-1.24、P = 0.01) は、非遵守行動と有意に関連していた。 SIPAT と身体的複合結果の間に有意な関連はなかった。本研究は、LKTの1年後の、SIPATと転帰との関連を調べた最初の研究である。 LKT の前に包括的な心理社会的評価を行い、移植の成功に悪影響を与える可能性のある要因を早期に特定することで、的を絞った介入を実施できるようになり、レシピエントの良好な予後を促進することに意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、1)SIPATの日本語版を作成し、2)評価者間信頼性、3)尺度関連妥当性、4)予後予測妥当性を検証し、その上で5)公益に資する形式で公表することである。2023年度までに4)まで達成した。2024年度までに5)まで充分に達成される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はすでに構築されたデータベースを利用して、腎臓以外の臓器移植患者の予後とSIPATとの関連を解析して論文化する。また国内の医療施設が運用可能な解説つきの日本語版SIPATを作成して、オープンソースとして広く国内に公表していく。
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