研究課題/領域番号 |
20K10420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪成蹊大学 |
研究代表者 |
海野 大 大阪成蹊大学, 経営学部, 教授 (90639064)
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研究分担者 |
中村 翔 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 講師 (00740656)
阪口 昌彦 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (70749001)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 自立支援型介護 / 最適介護報酬設計 / インセンティブメカニズム / 確率最適制御 / 確率最適制御モデル / 潜在曲線モデル / 介護レセプト等データ / 数理モデル / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な介護保険制度を維持する上で、要介護者の要介護度を軽度化させ得る自立支援型介護の必要性が高まっているが、介護度を改善すると介護報酬が減収する現状の保険制度の仕組みや、自立支援介護の効果が明確でないなどの理由で、必ずしも多くの介護事業者が自立支援の取り組みを行ってはいない。これは、自立支援型介護の効果に関する定量的研究が十分になされていないためと考えられる。そこで、介護レセプトデータや介護施設における介護記録データを用いて、個別機能訓練等の自立支援型介護の効果を統計学的に解析すると共に、その結果を基に、介護事業者が自立支援型介護に取り組みやすくするインセンティブ型報酬の制度設計を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,要介護認定情報・介護レセプト等情報を用いて,要介護高齢者に対する自立支援型介護の要介護度改善に対する有効性の検証とその効果の定量化,並びに,自立支援型介護を一種の確率制御システムとして数理モデル化することであり, 2023年度末時点で以下まで完了した.①評価期間において,要介護認定・更新が2回以上実施されている者を抽出しグループ化.②上記①のうち認定・更新回数が2,3,4のグループについて,要介護の変動パターン(単調に軽度化,軽度化の後重度化等)ごとに分類.③認定・更新の歴年月,前回の認定・更新からのインターバルが個人によって区々であることから,個人間を比較可能とするため,対象者ごとに前回認定・更新からの一次判定の基準時間(合計)の平均の変化量を算出(前回認定・更新と今回更新の基準時間を前回と今回のインターバル(月数)で除して求める).④自立支援型介護に影響があると考えられる介護サービスを,サービスコード単位で選定.⑤上記③と同様に,④で選定したサービスコードごとの平均利用回数を算出(対象者毎かつサービスコード毎に,前回認定・更新と今回更新のインターバル(月数)で,当該インターバル期間の合計利用回数で除して求める).上記①から⑤はデータベース化済み.⑥上記⑤を要介護認定・更新が3回および4回のグループについて作成.⑦上記の③および⑤,⑥を結合したデータを用いて,自立支援型介護に影響を与えると考えられる介護サービスを説明変数,基準時間の変化量を目的変数とする回帰分析等の解析を行い,自立支援型介護に影響を与える介護サービスを同定するとともに,その影響度を定量化. なお,⑨のインセンティブ型報酬制度の数理モデルならびにその意義について,以下の総説論文を発表した. 海野大「インセンティブ型介護報酬の効果と課題」地域ケアリング,Vol.25, No.7, 2023
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
厚生労働省からの要介護認定情報・介護レセプト等情報のデータ提供が,当初計画から大幅に遅れたこと,2023年度は感染症に罹患したため,データの保管と解析を行うこととしている施設(要介護認定情報・介護レセプト等情報の保管および解析作業実施は,厚生労働省の求めるセキュリティ基準を満たす神奈川県立保健福祉大学の施設内で実施することとなっている)への出張作業計画が未達成となったことによる.
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗がやや遅れていることから,研究期間を当初の3年間から5年間に延長し,2024年度においては,⑧前記⑦の結果について,研究成果としてまとめる.⑨上記の研究成果に基づき,インセンティブ型報酬制度の社会実装モデルを構築.⑩上記⑨の結果について,⑧を合わせて研究成果としてまとめる.⑧は2024年10月末までに終了し,2024年12までに⑨を終了する計画である.⑩は2024年度末までにに実施する予定である.
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