研究課題/領域番号 |
20K10421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
谷原 真一 久留米大学, 医学部, 教授 (40285771)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 診療報酬明細書 / 重複受診 / 多受診 / 国民健康保険 / 後期高齢者医療制度 / ポリファーマシー / 医療費 / 介護費用 / ソーシャルキャピタル / 後期高齢者 / 調剤医療費 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は特定の県全体の国民健康保険被保険者及び後期高齢者医療制度対象者の医科(入院外)・歯科(入院外)・調剤の診療報酬明細書(以後,レセプト)から匿名化された薬物処方状況を個人別に名寄せして把握した上で,性・年齢階級別に,1)ポリファーマシー該当者の割合,2)ポリファーマシーの有無と調剤医療費の関連,3)ポリファーマシーの有無と医療及び介護を合算した費用の関連,を分析する。さらに,一部の自治体においては保健事業を通じて収集された情報を上記の医療と介護に関する情報と連結することでポリファーマシーに関連する要因を検討し,地域における有効なポリファーマシー対策とその費用対効果について検証する。
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研究実績の概要 |
地域住民における薬剤処方および薬剤費の状況を検討する目的で2020年2月診療分のある県の国民健康保険および後期高齢者医療制度の調剤の診療報酬明細書(以下レセプト)を分析した。レセプトデータは同県の保険者協議会において匿名加工を行い、研究者は個人を特定不可能な形で提供を受けた。なお、本研究は久留米大学医に関する倫理委員会の承認を受けている。 レセプトの名寄せを行った結果、54,059人に対して77,111件の調剤レセプトが存在していた。調剤レセプトが1件のみであった者が37,029人(68.5%)と全体の3分の2以上であった。2件以上の調剤レセプトを有していた者は17,030人(31.5%)と約3分の1であった。5件以上の調剤レセプトを有する者は270名(0.50%)認められた。調剤レセプトの点数の平均値は1506点であったが、50点未満のものや10万点を超えるものがあり、非常に分散の大きな分布であった。 本研究は薬剤レセプトのみを検討しており、医科レセプトを合算した医療費の総額ではなく、また内服薬剤処方数に基づくポリファーマシーの検討ではない。しかしながら、全体の約3分の1は複数の医療機関から処方箋を発行されて複数の調剤レセプトを有する、いわゆる多受診の状況にあることや、ごく一部の者ではあるが5件以上の調剤レセプトを有する者が存在しており、多受診以外に同じ診療科の異なる医療機関を同一月の間に受診するいわゆる重複受診の可能性が高い者が存在することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響による業務量増加のため、診療報酬明細書(レセプト)データの受け渡しに関する打ち合わせ等に支障が生じ、令和4(2022)年度分析予定であったデータの入手が令和4年度末になるなど大幅な遅延が生じたため、研究期間の延長を行った。今年度の検討では、提供を受けたデータの一部に非常に大きな値が存在し、システム上のエラーの可能性が考えられたが、新型コロナウイルス感染症の影響による業務量増加の他、データ提供元のシステム更新などにより、検証作業に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4(2022)年度に解析予定であったデータが新型コロナウイルス感染症流行などの影響により、納品が年度末になるなどの大幅な遅延が生じたため、当初の計画では3年間の予定であったが1年の延長申請を行った。令和5(2023)年度の研究においては、前年度末に提供を受けたデータの検証作業に時間を要したため、さらに1年の延長申請を既に行い、認可された。令和6(2024)年度は当初の計画に沿った解析を実施する方針である。
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