研究課題/領域番号 |
20K10431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
鰐渕 英機 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90220970)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 芳香族アミン / 職業性膀胱癌 / 遺伝子発現異常 / 膀胱癌治療戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
芳香族アミンによる膀胱発がんは以前より知られているが、その詳細な発生メカニズムについては未だ十分には明らかになっていない。 本研究では、芳香族アミン類誘発ラット膀胱上皮の共通した遺伝子発現異常を解析し、膀胱癌発生に至る細胞増殖カスケードに係る機序を解明するとともに、芳香族アミン曝露による職業性膀胱癌を発症した従業員の膀胱癌の次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析を行い、一般の膀胱癌の全ゲノム解析との比較からその発生メカニズムを詳細に検討するとともに治療戦略を立てる。
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研究成果の概要 |
ラットに芳香族アミン曝露実験を行った結果、o-toluidineとacetoaceto-o-toluidide、aceto-o-toluidideが膀胱に増殖性病変を誘発した。その増殖性病変で発現変化を認めた遺伝子群は、「がん」や「細胞増殖」などに関連し、TP53の不安定化に関わる報告を認めた。また、芳香族アミン誘発職業性膀胱癌の遺伝子変異を一般の膀胱癌と比較した結果、職業性特異的変異の存在かつTP53遺伝子の変異頻度が高い傾向を示した。これらの成果は芳香族アミン曝露によるヒト職業性膀胱癌の発癌機序を解明するとともに、治療戦略の開発に役立つ可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芳香族アミン曝露により発生した職業性膀胱癌において、一般の非喫煙者由来の膀胱癌よりもTP53遺伝子の変異割合が高い傾向を示し、芳香族アミンによる特異的な変異が存在する可能性とともに、癌抑制遺伝子TP53の変異を介した発がん機序が重要であることが示唆された。また、動物実験を介したOTD関連芳香族アミンによる膀胱発癌機序が、職業性膀胱発癌機序解明及び治療戦略の開発に役立つ可能性を示した。
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