研究課題/領域番号 |
20K10434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
立浪 良介 北海道科学大学, 薬学部, 教授 (90285552)
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研究分担者 |
佐藤 恵亮 北海道科学大学, 薬学部, 講師 (60733946)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エパルレスタット / カドミウム / グルタチオン / Nrf2 / MRP1 / グルタチオン転移酵素 / GGT阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、糖尿病性末梢神経障害治療薬であるエパルレスタットが酸化ストレス誘導性の細胞毒性を抑制し、その作用に転写因子Nrf2の活性化を介したグルタチオン生合成能の増大が関わっていることを見出している。カドミウムなどの重金属毒性の抑制に対して、グルタチオンが重要な役割を担っているが、その機構については明らかにされていない点が多い。カドミウム毒性に対するエパルレスタットの抑制作用について、グルタチオンを中心とした抑制機構の詳細を明らかにして、既存薬であるエパルレスタットをカドミウムなどの有害重金属の解毒薬や特異的治療薬として応用するという新たな治療戦略を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、糖尿病性神経障害治療薬であるエパルレスタットのカドミウム(Cd)誘導細胞毒性に対する影響を明らかにすることである。Cdによる細胞傷害をエパルレスタットが抑制し、その際に細胞内グルタチオン量が増大することを明らかにした。この抑制作用を転写因子Nrf2が制御していることを見出した。さらにエパルレスタットが、CdとCdトランスポーターZIP8、メタロチオネインの細胞内濃度に影響を与えることを明らかにした。以上の成果は、エパルレスタットによる転写因子Nrf2を介したグルタチオン、ZIP8、メタロチオネインの制御がCd中毒に対する有望な治療アプローチに繋がる可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、カドミウム誘導性の細胞傷害に対するエパルレスタットの抑制作用に検討した。今回の成果は、培養細胞による基礎研究の結果ではあるが、エパルレスタットが糖尿病性末梢神経障害のみならず、カドミウムなどの重金属中毒にも応用できる可能性を示唆している。臨床的にエパルレスタットの有用性を示すにはin vivo実験を含めたより詳細な検討が必要とされるが、本研究成果は、エパルレスタットのドラッグリパーパシングに繋がる基礎研究として、今後の適応拡大への可能性を示すものである。
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