研究課題/領域番号 |
20K10451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
長尾 正崇 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (80227991)
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研究分担者 |
奈女良 昭 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30284186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 労働衛生 / 分析化学 / リスクアセスメント / 芳香族アミン / リスクマネジメント / 生物学的モニタリング / 健康被害 / 分析 / 作業環境 / 経皮 |
研究開始時の研究の概要 |
職場で実施されている化学物質のリスクアセスメントでは、作業環境中の化学物質濃度(空気中の濃度)が曝露量の指標として用いられていることが多い。しかし、作業者の曝露量を正確に把握するには、実際に体内に取り込まれた化学物質の量を測定する生物学的モニタリングが不可欠である。本研究では、健康影響を及ぼす芳香族アミンを対象に尿中からの簡便な前処理法を用いつつ高感度・高精度な分析法を開発し、高度な分析技術や知識を持たない分析者でも正確な定量値の得られる実施可能なスクリーニング系を構築する。
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研究成果の概要 |
本検討では、芳香族アミンとしてアニリン、トルイジン(o-, m-, p-)、アニシジン(o-, m-, p-)、ナフチルアミン、4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン(MBOCA)を、代謝物としてアミノフェノール(o-, m-, p-)をモデル化合物として用いた。尿中の芳香族アミンはアルカリ抽出後、抽出溶液内でトリフルオロアセチル化することが、尿中の代謝物は尿に直接酸無水物とアルカリ水溶液を加えることでアミノ基と水酸基を同時にアシル化した後に有機溶媒で抽出することが可能となった。本法により、抽出溶媒を濃縮・乾固することなく、簡便に芳香族アミンやその代謝物の分析が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本成果では、健康被害をもたらす恐れのある芳香族アミンの代表であるアニリンの簡便なるガスクロマトグラフ/質量分析法が構築できた。有害性の指摘されている芳香族アミンは多岐にわたり、適正なる分析機器あるいは手法を選択した網羅的な芳香族アミン類のスクリーニング法の開発は喫緊の課題であると指摘されている。本研究成果は、有害な芳香族アミンや代謝物のスクリーニング分析にも応用可能であり、健康被害を未然に防止できるような検査法の整備を加速させ、健康被害を引き起こす化学物質を網羅的に分析できる方法の構築・整備に貢献できると期待される。
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