研究課題/領域番号 |
20K10462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 神奈川県衛生研究所 |
研究代表者 |
陳内 理生 神奈川県衛生研究所, 微生物部, 主任研究員 (70622752)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 髄膜炎菌 / MLVA / 分子疫学的解析法 / MLST / Neisseria menigitidis / VNTR / 分子疫学 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
髄膜炎菌は重篤な経過をたどる侵襲性髄膜炎菌感染症の原因菌として知られている。申請者らは先行研究により、髄膜炎菌において薬剤耐性株が拡散している可能性を明らかにした。そこで、侵襲性髄膜炎菌感染症および薬剤耐性株の拡散防止の一助とするべく、先行研究により得られた髄膜炎菌ライブラリを用いて、新規分子疫学的解析法の開発を試みる。具体的には、Multilocus variable-number tandem-repeat analysis(MLVA)を応用し、薬剤耐性関連遺伝子の同時検出が可能で、従来よりも安価で、分解能が高く、容易にデータ共有が可能な解析法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は髄膜炎菌を標的とし、データ共有が可能で、従来法であるMulti locus sequencing typing(MLST)法よりも分解能の高いMultilocus variable-number tandem-repeat analysis(MLVA)をベースとした新規分子疫学的解析法を開発することである。小型次世代シークエンサーであるMinION (Oxford Nanopore社)を用いるもので、既報のMLVAより高精度でかつ薬剤耐性関連遺伝子の同時検出を可能とすることを目標としている。これまで、本研究ではPCRにより標的領域を増幅し、MinIONにより配列情報を取得し、アセンブルする方法と全ゲノムデータを用いて、標的領域の配列を取得、解析する方法の二つの方法で開発を進めてきた。PCR産物をアセンブルする方法では、現実的な使用を想定し、使用するアダプター数を制限(一株あたり一つ)にしようとした場合、MLVA領域のアセンブルが困難であった。このため、全ゲノムデータを用いる方法に絞り、開発を進めている。令和5年度は192株についてショートリードを取得し、そのアセンブルを実施した。得られたContigについて、全ゲノムデータを用いたMLST解析を実施した。その結果、ST11026が最も多く、ついでST23であり、概ね先行研究にて得られた傾向と一致していた。新規と考えられるものも含め、40タイプほどシークエンスタイプが検出された。ショートリードを取得した192株のうち、172株については薬剤感受性試験を実施しており、これのシークエンスタイプを確認した。アンピシリンに中等度耐性もしくはレボフロキサシンに中等度耐性または耐性を示した株には、18の異なるシークエンスタイプが含まれていた。今後、このデータを元に菌株を選定し、ロングリード配列の取得を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により物品の納入が困難であった時期があったため、当初予定よりも2年遅れ、研究期間の延長を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度であるため、ロングリード配列の取得によるコンプリート配列の決定およびMLVA対象領域の追加とゲノム配列を用いたMLVA解析のパイプライン化を行う。
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