研究課題/領域番号 |
20K10465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
坂田 淳子 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (30455547)
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研究分担者 |
勝川 千尋 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (20183725)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Corynebacterium ulcerans / イムノクロマト法 / モノクローナル抗体 / 動物由来感染症 / ジフテリア |
研究開始時の研究の概要 |
Corynebacterium ulceransによる感染症は、主に猫などから感染する動物由来感染症である。本菌は、二類感染症であるジフテリアと類似の症状を引き起こす。 本感染症は、C. ulceransの同定が困難でごく限られた研究機関でしか実施できず、また感染症法で規定される把握対象疾患にも含まれていないため、国内の詳細な動向は不明である。 本研究では、C. ulceransの同定を医学・獣医学領域の臨床現場で実施可能にすることを目的として、迅速診断法(イムノクロマト法)を開発する。本症の現場診断を可能とすることで国内外での感染実態を明らかにできるため、発生予防法の構築が期待できる。
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研究実績の概要 |
コリネバクテリウム・ウルセランスを簡易に検出できるイムノクロマトキットを開発するために、ST1型のコリネバクテリウム・ウルセランス菌体可溶性抗原を免疫したマウスを用いて,常法により細胞融合実験を実施した。その結果、3168クローンのハイブリドーマが得られた。ハイブリドーマのスクリーニングは,免疫源に使用した株を含む11株のコリネバクテリウム・ウルセランス菌体可溶性抗原(ST1~ST5型)と他のコリネバクテリウム属菌5種6株の菌体可溶性抗原を用いたELISAにより実施した。その結果、2クローンが最終選抜・保存まで至ったが、2クローンともコリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を産生するハイブリドーマクローンではなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今回(2回目)の抗体作出実験では、コリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を産生するハイブリドーマクローンを得ることができなかった。そのため、抗体作出実験を再度実施する必要があったが、令和4年度の半ばに研究所の移転があったため、3回目の抗体作出実験を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に研究所の移転があったため、実施できなかった3回目の抗体作出実験については、令和5年度に実行する。この際、マウスへの免疫方法、ミエローマとマウス秘蔵細胞の融合方法については、コリネバクテリウム・ウルセランス全STタイプに特異的・包括的に反応する抗体を得るために、1、2回目の抗体作出実験に実施した方法に変更を加える予定である。 サンドイッチタイプの検出系であるイムノクロマト法に必要が抗体が揃えば、それを用いて本菌に特異的なイムノクロマト法を構築する。その際、用いる抗体濃度、緩衝液などの最適条件の検討も行い、構築したイムノクロマト法の特異性と検出感度を、さまざまなMLST型のコリネバクテリウム・ウルセランスを用いて検証する。さらに本イムノクロマト法を用いて、臨床検体(懸濁液)から本菌を検出する方法を構築し、その有用性を評価する。
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