研究課題/領域番号 |
20K10476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐伯 圭吾 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60364056)
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研究分担者 |
大林 賢史 奈良県立医科大学, 医学部, 特任准教授 (30596656)
山上 優紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90823956)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 室温 / 心血管疾患 / 外気温 / 前向きコホート研究 / 寒冷曝露 / 室内寒冷曝露 / 肥満 / 動脈硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
外気温低下に関連する死亡数は、高血圧や喫煙に関連する死亡数に匹敵する。冬の室温が保たれている北欧諸国では寒冷曝露関連死亡が少ないことや、室温介入試験から室温調整の重要性が示唆されるが、実生活下の室温と動脈硬化の進行、心血管疾患の罹患の関連は明らかではない。申請者らは高齢者を対象とする前向きコホート研究から、肥満・糖尿病の罹患、動脈硬化の進行、心血管疾患罹患との縦断的関連を検討する。
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研究成果の概要 |
ベースライン調査で室内環境測定を完了した2816人に対し、過去5年間における心血管疾患の罹患について郵送法を用いて調査した。2665人(94.6%)から回答が得られ、回答者の平均年齢(標準偏差)は73.5(8.16)歳で、心血管疾患に罹患した対象者の割合は4.5%(119人)であった。ベースライン調査で測定した日中室温と同日の外気温を用いた回帰モデルから推定された室温低値群(1300人)の心血管疾患罹患者の割合(5.15%)は、対照群(1338人)の罹患者割合(3.89%)と比べて高値であったが、有意な差は認めなかった(p = 0.133)。観察を継続して、検出力の高い分析が必要と考察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は住環境の温度と心血管疾患罹患の関連を調査した初めての大規模前向きコホート研究である。温かい住宅に住む対象者と寒い住宅にする対象者の間で、過去5年間の心血管疾患の発生状況に統計学的有意な差は認めなかったが、さらに長期の観察によって重要な知見を見出す可能性が示された。研究成果は、冬に上昇する心血管疾患死亡を予防し、健康寿命の延伸のためには、住環境の温度をどのように調整すべきであるかを検討するための科学的エビデンスとなるものである。
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