研究課題/領域番号 |
20K10477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
井上 彰臣 産業医科大学, IR推進センター, 准教授 (70619767)
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研究分担者 |
堤 明純 北里大学, 医学部, 教授 (10289366)
可知 悠子 北里大学, 医学部, 非常勤講師 (10579337)
江口 尚 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50722146)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 尺度開発 / 信頼性 / 妥当性 / 心理社会的安全風土 / メンタルヘルス / 生理指標 / 前向きコホート研究 / 産業保健 / 職業性ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,近年,オーストラリアを中心に労働者の心身の健康に影響を及ぼす職場の心理社会的要因として注目されている「心理社会的安全風土」(psychosocial safety climate:以下,PSC)を測定する調査票(PSC-12)を日本語に翻訳し,日本人労働者を対象に,翻訳したPSC-12を用いた調査を行い,PSCが醸成されていない職場環境下では,労働者の心身の健康が悪化することを明らかにすることを目的とする。同時に,PSCが醸成された職場環境下では,仕事の要求度(仕事の量的負担,職の不安定性,役割ストレスなど)による労働者への健康影響が緩和されることも明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では,オーストラリアで開発された「心理社会的安全風土」(psychosocial safety climate:PSC)の評価尺度(PSC-12)を邦訳するとともに,邦訳したPSC-12日本語版を用い,日本人労働者を対象とした疫学調査により,PSCが労働者の心身の健康に及ぼす影響を検討した。その結果,PSC-12日本語版は十分な信頼性・妥当性を有すること,ベースライン時のPSCと1年後の心理的ストレス反応との関連は,ベースライン時の心理的ストレス反応によって説明できることが示唆された。PSCによる身体的健康(生理指標)への影響については不十分なデータがあり,更なる研究が必要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「経営層と労働者が一丸となって労働者の心の健康と安全の保持増進に取り組んでいるか」に着目したPSCの概念は,健康経営の取り組みが進むわが国の企業において親和性が高いものと考えられる。本研究によってPSC-12日本語版が開発され,日本人労働者を対象としたPSCに関する疫学研究の知見(主にPSCと精神的健康との関連についての知見)が提供されたことは,わが国の企業全体におけるPSCの概念の普及と産業保健活動の更なる促進に寄与するものと考えられる。
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