研究課題/領域番号 |
20K10486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
水越 厚史 近畿大学, 医学部, 講師 (50520318)
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研究分担者 |
奥村 二郎 近畿大学, 医学部, 教授 (70211133)
東 賢一 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (80469246)
中間 千香子 関西医科大学, 医学部, 助教 (10862344)
北條 祥子 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 名誉教授 (90005033)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 環境過敏症 / 環境因子 / 環境バリア / 質問票 |
研究開始時の研究の概要 |
化学物質や物理、生物学的な環境因子等による過敏症、いわゆる環境過敏症は、原因となる環境因子と病態に多くの不確実性、不定性があり、病気の存在についての議論が対策の隘路となっている。本研究では、解決志向への転換のため、発症・症状発現に関連する環境因子を見つけ出し、環境因子により生活上の障壁となる環境バリアを明らかにすることを目的とし、環境因子評価用の質問票の開発、そして、それを用いた実態把握を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、環境過敏症の発症・症状発現に関係する環境因子、日常生活における環境バリアを明らかにすることを目的とし、これらを把握するための質問票を開発した。そしてこの質問票を用いて、環境因子により症状が出ることのある人を対象としてアンケート調査を行った。2022年6月に有訴者が所属する2団体に質問票を1550部送付し、会員に配布してもらい、437部の返送があった(回収率28.2%)。今年度は、前年度の未解析の回答も加え、同意が有り、症状が有る417名を対象とし、化学物質、電磁波、その他のものへの不耐の発症因子(きっかけ)について傾向を把握した。対象者は男性47名(11.3%)、女性368名(88.7%)、平均年齢は57歳(標準偏差11歳)であった。96.4%の人は化学物質によって症状が出ると回答し、化学物質と電磁波の両方によって症状が出る人は62.6%、化学物質と電磁波とその他のものによって症状が出る人は34.5%、電磁波のみの人は1.2%であった。その他のものとしては、低周波音(6.7%)の割合が高かった。化学物質不耐の発症因子としては、「自宅の新築・リフォーム」(28.1%)、「殺虫剤、農薬への曝露」(23.4%)、「柔軟仕上げ剤の香り」(22.9%)が多く、発症因子の発生の年代別の割合は、「自宅の新築・リフォーム」は2000年代以前に大きく、「柔軟仕上げ剤の香り」は2010年代に大きい傾向が見られた。一方、電磁不耐の発症因子としては、「近隣からの電磁波曝露」(24.8%)が多かったが、その割合は2020年以降に低くなり、発症因子の多様化が示唆された。
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