研究課題/領域番号 |
20K10492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2020-2021) |
研究代表者 |
笹原 祐介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (80775297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 医療アクセス / 脳卒中急性期診療 / 地域 / 急性期脳卒中診療 / 脳卒中 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中は一旦発症すると後遺症が残存する可能性が高く生命予後にも影響することから、その急性期医療体制の確立は重要です。脳卒中急性期診療には、患者背景、医療アクセス、施設能力、治療介入、において地域格差が存在し、これら要因が診療アウトカムへ関与していることが示唆されています。医療アクセスを除く3つの要因については多くの既存研究がありますが、搬送方法、経路、搬送時間などの医療アクセス要因が予後に与える影響を検討した研究は十分ではありません。本研究では公的統計と診療請求情報を用いて二次医療圏の地理特性と医療アクセスの関係を明らかにするとともに、医療アクセスの違いが患者予後に及ぼす影響を明らかにします。
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研究実績の概要 |
一般に、農村部や過疎地では高齢者の割合が高く、医療サービスへのアクセスは都市部と比較して悪い。そのため医療サービスの利用しやすさが患者の転帰に与える影響について世界中で研究が行われている。日本では病院までの時間や距離と転帰の関連について報告がある一方で、病院までのアクセスに関する全国的な統計はなく、また、二次医療圏を考慮した居住地-病院間距離が退院アウトカムに与える影響について検討した研究は乏しい。本研究は、救急システムを利用して入院した心血管疾患を有する高齢者(65歳以上)は居住地からどの程度離れた病院に入院しているのか、距離と退院時転帰との間に関連はあるか、を明らかにすることを目的とした。 JROAD-DPCデータベースを用いて急性心筋梗塞(AMI)、急性大動脈解離(AAD)、脳梗塞(CI)で救急入院した患者948,977人を解析対象とした。住居と病院の距離は、ポスタルコードを利用しSAS GEODIST関数を用いて算出した。AMIとAADのアウトカムは院内死亡、CIのアウトカムは院内死亡または退院時転帰不良(mRS≧5)とした。距離と転帰の関連は一般化線形混合モデルで評価した。二次医療圏は人口または人口密度を用いて「大都市」「地方都市」「過疎地域」に層別した。 その結果、二次医療圏の半数以上が10Km以下をカバーしているが、50Kmを超える長距離をカバーする医療圏は少なくないことがわかった(二次医療圏数AMI:20、AAD:30、CI:16)。多変量解析の結果、CIにおける転帰不良については大都市二次医療圏で距離に応じてオッズ比が高くなる傾向が示された。次年度は治療要因を含めた解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GISシステムを用いた検討はライセンスを調達できなかったため研究規模を縮小した。今年度は関連学会で成果発表を行い概ね計画通り進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
距離と退院時転帰に関して治療要因を含めた追加解析を行い論文にまとめる。
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