研究課題/領域番号 |
20K10506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
嶽崎 俊郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任教授 (50227013)
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研究分担者 |
指宿 りえ 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90747015)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | HTLV-I / 全死亡リスク / コーホート研究 / 炎症性遺伝子多型 / ブロッコリー / TNF-α / IL-10 / 死亡リスク / 防御要因 |
研究開始時の研究の概要 |
HTLV-I陽性者において全死亡リスクが上昇していることが報告されている。本研究の目的は、HTLV-Iキャリアにおける高い全死亡リスクに対する防御要因をコーホート研究において明らかにするとともに、炎症性サイトカインおよびHLAハプロタイプに関わる遺伝子多型を用いて高感受性群における要因の違いを検索することである。対象は鹿児島県の島嶼地域と農村地域で行われているコーホート研究の参加者7,210名(陽性率6.4%)で、新学術領域研究「コホート・生体試料支援プラットフォーム」の支援にて提供を受けた疫学情報およびDNA試料を用いて解析を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、HTLV-Iキャリアで報告されている全死亡リスクの上昇に対する防御要因を明らかにすることである。今年度は、これまでに新学術領域研究「コホート・生体試料支援プラットフォーム」の支援により提供を受けた疫学情報と遺伝子多型情報に加え、2021-2022年の追跡調査結果を加え、HTLV-Iと全死亡リスクとの関連、および環境要因と遺伝子多型との関連に関して、解析を進めた。 新たに追加された追跡情報は、死亡120名、転出39名であり、死亡総数429名、転出総数366名、平均追跡期間13.2年(0.05-17.2年)となった。 対象者は、環境要因はHTLV-I感染の有無(陽性458名)が判明しているコーホート全体7105名、遺伝要因は遺伝子多型測定済みの3133名(TNF-α、IL-10、NF-κB1)と2072名(ZFPM2、ABO)で、cox比例ハザードモデルを用いて、性、年齢、他要因を調整したハザード比で死亡リスクを見積もった。 HTLV-I陽性に対する死亡ハザード比は1.07(0.73-1.55)と上昇を認めなかったが、HTLV-Iとは関係無く死亡ハザード比の低下に関連していたブロッコリーの低摂取群ではHTLV-I陽性に対する死亡ハザード比が2.33(1.15-4.74)と有意な上昇を認め、一方、ブロッコリー高摂取群は0.86(0.54-1.37)で、有意な相互作用(p=0.024)が認められた。同じアブラナ科食物であるキャベツに関しては、統計学的には有意でなかったが、同じ方向性を示した。他の食物摂取では同様の関連は認めらなかった。 遺伝子多型に関しては、HTLV-Iと関係無く、IL10のAA群とZFPM2のTT型は死亡ハザード比と有意な関連を示していたが、HTLV-Iとの相互作用はそれぞれ認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、当初の計画通り、新学術領域研究「コホート・生体試料支援プラットフォーム」の支援により疫学情報と遺伝子多型情報、DNA試料の提供も受け、新たな遺伝子多型の解析を加えた。さらに今年度は、新たな追跡情報の提供も受け、より多いアウトカム症例のもと、統計学的パワーを増やした形で解析を行うことができた。 一方で、当初予定していたHLA遺伝子多型の解析は、解析に必要となるDNA量が十分でなかったため、解析対象とする遺伝子多型を、炎症を総合的に反映することが報告されていたZFPM2 rs6993770とABO rs550057に変更し、昨年度に解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初は令和4年度までの研究計画であったが、新たな追跡情報の入手が年度末になったため、研究期間を1年間延長した。令和5年度は、新たな死亡症例とそれにマッチングさせた対照者を加え、さらに新たな症例の遺伝子多型解析も加え、ネスティッド症例・対照研究のデータセットを再構築した上で、解析を完了し、学会発表や論文作成を行う。
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