研究課題/領域番号 |
20K10512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘明 順天堂大学, 医学部, 助教 (30502257)
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研究分担者 |
岩崎 基 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60392338)
原田 浩二 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80452340)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | フッ素化アルキル化合物 / 残留性有機汚染物質 / 環境疫学 / 異性体 / 南米 / ブラジル / PFAS / 乳がん / PFOS / PFOA / 有機フッ素化合物 / 分岐鎖 / メチル化 / フッ素系界面活性剤 / 南半球 |
研究開始時の研究の概要 |
ここ数十年で乳がんの年齢調整罹患率は著しく増加してきたが、乳がんの原因はその既知の危険因子だけでは半分程度しか説明できないとされている。一方、新規な環境汚染物質である有機フッ素化合物への曝露が乳がん発生に関与している可能性が注目されている。しかしながら世界的にもデータが乏しく、国際機関が発がん性を評価していない有機フッ素化合物も多い。既存の疫学研究では異性体別に研究しておらず、南半球での研究例もまだない。これまで日本人女性において有機フッ素化合物が乳がんの発生に及ぼす影響の解明を進めてきたが、これに加え、本研究ではブラジル人女性における症例対照研究を行い、国際比較と統合解析を行う。
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研究実績の概要 |
4年目である令和5年度の研究実績は以下の通りである。 ブラジル人女性の症例対照研究における血漿中有機フッ素化合物(PFAS)濃度と乳がんリスクの関連について、多変数調整した最終的な解析を行った。対照群の各血漿中有機フッ素化合物濃度の中央値や四分位点に基づき対象者を群分けし、最低濃度群を基準群として条件付きロジスティック回帰分析を行い、多変数調整オッズ比と95%信頼区間を算出した。その結果、ペルフルオロヘプタンスルホン酸(n-PFHpS)、ペルフルオロ-3-メチルヘプタンスルホン酸(3m-PFOS)、ペルフルオロノナン酸(n-PFNA)の血漿中濃度と乳がんリスクの間に有意な正の関連を認めた(P<0.05)。ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の分岐鎖のある異性体(3m-PFOS)で関連を認めたことから、異性体を区別した解析の重要性が示唆された。また、閉経状態や人種で分けたサブグループ解析およびホルモン受容体別の解析も行った。年度末に論文原稿の初稿を作成し共著者に回覧した。日本人女性(長野県)の血清中濃度とブラジル人女性(サンパウロ)の血漿中濃度の中央値を比較したところ、前者は後者よりもPFOS総濃度、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)総濃度、n-PFHpS、n-PFOS、n-PFOA + 4m-PFOA(PFOA異性体)、n-PFNA、n-PFDA(ペルフルオロデカン酸)、n-PFDoDA(ペルフルオロドデカン酸)の濃度が高めであった。また、日本人女性とブラジル人女性の症例対照研究データを統合し、PFOS総濃度およびPFOA総濃度(八分位)と乳がんリスクの関連について解析を行った。 補助事業期間の再延長を申請して承認された。一年延長され、5年計画となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初、新型コロナウイルス感染症の流行により、緊急事態宣言が発出されるなどして、予定していた通りに動けなかったため、予定が後へずれ込んだ。血漿中有機フッ素化合物濃度の測定においては、どの検体が症例のもので、どの検体が対照のものか、分析者がわからないようにして分析した。症例と対照のペアは同じバッチにて分析した。また、ガスクロマトグラフィーのキャピラリーカラムで異性体を分離して個別に定量した。このような様々な配慮の上で質の良い分析を多検体(942検体)について丁寧に行ったため時間を要した。また、解析用データセットの作成および統計解析に予想よりも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画が多少後ろにずれ込んでいるが、予定していた内容は完遂する予定である。血漿中有機フッ素化合物濃度の測定、主なデータ解析は終了した。慎重に検討を行って、研究結果を取りまとめている。学会・学術誌における公表を行う予定である。 有機フッ素化合物と乳がんの関連のメカニズムに迫る研究として、症例対照研究の対照群のデータを使用して、閉経後女性における血清中の有機フッ素化合物濃度と性ホルモン濃度の関連を解析することをサブテーマとして設定した。今後解析を行う予定である。
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