研究課題/領域番号 |
20K10516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 講師 (80142595)
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研究分担者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
玉置 淳子 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90326356)
神谷 訓康 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (90780073)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | オステオカルシン / 低カルボキシル化オステオカルシン / 2型糖尿病 / 動脈硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
オステオカルシン(OC)は骨形成指標として繁用されてきたが、マウスではインスリン分泌を促進し、グルコース代謝を制御するホルモンである。さらにOCはアディポネクチンを介してインスリン抵抗性を減弱し、メタボリック症候群を抑制し、動脈硬化を抑制することが示唆されている。また、骨代謝では非活性型とされてきた低カルボキシル化OC(ucOC)が糖代謝では活性型であることが示唆された。 しかし、これらの作用が人間で見られるかどうかは明らかではない。 そこで、地域在住女性を対象とした前向きコホートの25年次追跡研究を実施して、ucOCと糖尿病、体脂肪、メタボリック症候群、動脈硬化との関係を縦断的に検討する。
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研究成果の概要 |
動物では糖代謝を制御するホルモンとされるオステオカルシン(OC)と低カルボキシル化オステオカルシン(ucOC)がヒトでも糖尿病、メタボリック症候群(MS)、動脈硬化のリスクを上げるかどうかを検討した。JPOSコホート研究参加者女性1316人を対象にBaselineでこれらのアウトカムを発症している者を除き、その後10年間の新規発症を把握した。その結果、OCでは有意な関連は認められず、ucOCでは最低四分位群で糖尿病の発生リスクが高い傾向にあり、MSの発生リスクは有意に高かった。ucOCはヒトにおいても糖代謝を制御している可能性があり、またMSの発生に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請課題により、低ucOCがインスリンを介して、血糖値を上げ、アディポネクチンを介してインスリン抵抗性を増強し、もって糖尿病とメタボリック症候群のリスク、動脈硬化進展の度合いを高めるという仮説が証明されれば、ucOCがある値より低ければ、2型糖尿病やメタボリック症候群の発生や動脈硬化が進展するリスクが高いことがわかり、ハイリスク者に重点的な発症予防策を講じることによりこれらの疾患、ひいては循環器疾患の発生を効率的に予防することが可能になる。健康寿命延伸を阻む課題となっている糖尿病や動脈硬化性疾患の発症前発見と対策に道を開くことができる。
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