研究課題/領域番号 |
20K10527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
篠原 清美 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (90865908)
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研究分担者 |
今井 必生 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30758892)
田近 亜蘭 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80368240)
古川 壽亮 京都大学, 医学研究科, 教授 (90275123)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ネットワークメタアナリシス / うつ病 / 抗うつ薬 / 再発予防 / 寛解継続 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病は再発しやすい疾患であり、再発予防は治療は重要である。症状が改善した後も抗うつ薬の維持療法が推奨されているが、薬の効果および副作用についてエビデンスが不足している。そのため服薬の必要性や重要性が理解されずに、治療を中断してしまうことが問題となっている。本研究では、ネットワークメタアナリシスという新しい統計学的な手法を使って、抗うつ薬の再発予防効果について最新のエビデンスを提供する。また20種類以上ある抗うつ薬のどれが最も再発予防に効果があって副作用が少ないかを示し、そうすることでより医療者や患者さんが個々にあった治療選択を行うための一助になると期待される。
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研究実績の概要 |
うつ病の維持治療に関する抗うつ薬の効果を調べたランダム化比較試験(RCT)のデータベースを作成した。抗うつ薬の再発予防を検討するRCTでは主に以下の2つの試験デザインが用いられている。1.急性期で抗うつ薬に反応した患者のみを対象に抗うつ薬の継続と中止で再発を比較するデザイン、2.急性期で抗うつ薬とその他の抗うつ薬/プラセボに割り付け、反応・寛解後の再発を比較するデザイン。現在までに113本のRCTを同定し、これらの過程で得られた知見とデータベースを利用して3つの研究を行った。 ①抗うつ薬で寛解した大うつ病の患者で、抗うつ薬の継続と中止による再発を比較したメタアナリシス:その結果、抗うつ薬を継続した群では中止した群に比べ再発割合が約20%少なかった[N(研究数)=40, n(患者数)=8,899, オッズ比0.38, 95%信頼区間 0.33 - 0.43, 継続群21.0%:中止群39.9%]。また、6か月継続群と1年継続群では再発率に大きな差がないため、寛解後最低6か月は抗うつ薬を継続したほうが良いことを示した。 ②急性期に抗うつ薬治療、認知行動療法などの確立された技法を用いた精神療法、抗うつ薬と精神療法の併用療法、のいずれを用いると、治療に反応し長期的に寛解を維持できることができるのかを調べたネットワークメタアナリシス[N(研究数)=81, n(患者数)=13,722]:急性期治療として精神療法を併用した群では抗うつ薬の単独治療や通常治療より長期的な寛解がそれぞれ14%、16%増加することが分かった。③どの抗うつ薬を急性期治療として使用し反応/寛解後も継続することが最も再発予防効果があるのかを明らかにするためのネットワークメタアナリシス:解析に必要なデータ抽出を行った。今後海外の研究者グループが引き続き解析を行っていく予定である。
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