研究課題/領域番号 |
20K10531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
井岡 亜希子 琉球大学, 医学部, 委託非常勤講師 (10504871)
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研究分担者 |
増田 昌人 琉球大学, 病院, 特命准教授 (30295323)
中村 幸志 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80422898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | レコード・リンケージ / 保健医療情報 / 個人情報 / 個人同定 / 自動処理 / システム / プロトタイプ / 保険医療情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、医療施策のアウトカム(成果)の評価のために、様々な機関で保有される保健医療情報について、個人情報の取り扱いを最小限にした上で相互連結(レコード・リンケージ)を行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業を、自動で処理する新技術を開発するものである。都道府県等における日本版Centre for Health Record Linkage(CHeReL)の仕組みの導入に向けて、必要な手続き及び体制を整理する。さらに、提供するデータに住民基本台帳ネットワークシステムが保有する生死情報も含めることで、精度の高い生存率や死亡リスク等を使用でき、医療施策の的確な評価を可能とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、医療施策のアウトカム(成果)の評価のために、様々な機関で保有される保健医療情報について、個人情報の取り扱いを最小限にした上で相互連結(レコード・リンケージ)を行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業を、自動で処理する新技術を開発するものである。 令和4年度は、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)のシステム検証及び運用方法を検討した。システム検証では、そこから把握された課題を①データ取込、②データ取込用定義の作成、③出力、④同定設定、⑤マスタ検索に分類し整理した。また、これらを踏まえてシステム改修を進めた。具体的な内容は、①データ取込時、「姓名漢字・性別・生年月日が一致」が複数ある場合はエラーリストに含める、②データ取込時の必須項目の変更、③出力データに含まれるプロジェクトIDの形式変更、④同定の初期設定の変更、⑤システム上の項目名の統一などである。今回のシステム検証では医事情報(7~11万件)、病理検査データ(5万件弱)、院内がん登録データ(約1500件)を用いており、これら大量データの照合処理機能の改善を確認した。このような検証及び改修を進めつつ、がん対策などでの本システムの利活用を検討している。がん対策では①全国がん登録データを用いたがん検診の精度管理、②がん対策の施策立案と評価に必要な指標の開発などが急務であり、①ではがん検診受診者ファイルと全国がん登録データのリンケージ、②では健診(検診)データとレセプトデータ、全国がん登録データなどのリンケージが必要であることから、本システムの運用手順を整理している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナによる国内の移動制限の緩和が十分でなく、また、個人情報を含む実データの施設外、更に室外への持ち出しは制限されているため、実データを用いた日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の検証作業がやや遅れている。また、本システム導入に関する現地調査もやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
わが国における、個人情報の取り扱いを最小限にした上でレコード・リンケージを行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業の自動処理を実現するため、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の開発と検証に引き続き取り組む。令和5年度も実データを用いた本システムの検証を進めつつ、①データ取り込み時に設定できる条件を検討、追加する。②現状のデータ出力機能は細かい部分に対し検討が不十分な為、データ出力機能を再検討し、必要に応じて追加する。③マスタデータの検索機能、及び修正機能の拡充。④各項目に対する重み付けの見直しを含め、姓名やフリガナ等主要項目について、より多様な表記に対応できるよう同定処理の調整を行う。⑤引き続き、大量データを処理するための性能向上を検討する。また、本システム導入を円滑に進めるために運用に関わる資料を作成し、がん対策における利活用を目指す。
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