研究課題/領域番号 |
20K10534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 北海道千歳リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
世古 俊明 北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (80808147)
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研究分担者 |
大西 浩文 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20359996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高齢者 / 下肢筋量 / インスリン抵抗性 / 糖尿病 / 非肥満 / コホート研究 / サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病の強いリスク因子として肥満が知られているが、本邦の高齢者は肥満でなくても糖尿病の発症頻度は高く、高齢者糖尿病の75%は非肥満者である。近年、インスリンの標的組織である骨格筋と糖尿病の関連が注目されている。我々は、骨格筋のなかでも身体構成比が大きく、加齢早期に萎縮しやすい下肢筋量が肥満とは独立して、糖尿病の背景となるインスリン抵抗性に関連することを横断研究で明らかにした。 本研究では現在進行中の地域住民コホートを対象に、高齢者の下肢筋量の減少が、糖尿病発症の鋭敏な早期予測因子となるかを縦断研究により明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、コホート集団を対象に縦断研究を行い、肥満の有無とは関係なく高齢者の下肢筋量の減少が、糖尿病発症とインスリン抵抗性(IR)進展に対する予測因子となるかを明らかにすることを目的としている。平成29~31年度に北海道壮瞥町の特定健診を受診した非糖尿病の高齢者500名を対象に令和2~5年度まで、糖尿病発症及びIR進展をエンドポイントとした最大7年間の追跡調査を行うものである。今年度は昨年度に引き続き、COVID-19の影響により特定健診の受診者数に制限を設けていたため、追跡者数の増加には限りがあった。 そのため、既存データの解析を進めた。H29年に受診があった糖尿病及びIRの既往がない高齢者194名を対象にH30~31年でのIR進展をエンドポイントとした多変量解析を行った。最大2年間の追跡におけるIR進展者数は62名であった。また年齢、性別、H29年度の腹囲径、HOMA-IRで調整した多変量解析の結果、下肢筋量のハザード比は 0.80(95%CI:0.79-0.98, p=0.044)であり、高齢者の下肢筋量は肥満とは独立したIR進展のリスク因子であることが明らかとなった。 今年度は本結果をまとめ、Journal of the American Medical Directors Association (impact factor 7.8) に論文を投稿し、受理に至った。 Preserved Lower Limb Muscle Mass Prevents Insulin Resistance Development in Nondiabetic Older Adults. J Am Med Dir Assoc. 2023 Mar;24(3):376-381.e1. DOI: 10.1016/j.jamda.2022.12.002.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19による活動制限の影響により、研究フィールドである北海道壮瞥町特定健診の通常実施が困難な状況である(入場者数制限、測定時間の短縮など)。そのため予定の追跡者数には至っておらず進行に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が「5類」に引き下げられたことにより、今年度の特定健診受診者数の制限は緩和される見込みである。研究開始の準備は整ってきている。
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