研究課題/領域番号 |
20K10536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
中尾 睦宏 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80282614)
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研究分担者 |
城月 健太郎 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (50582714)
竹内 武昭 東邦大学, 医学部, 准教授 (60453700)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ストレス / 心身医学 / うつ病 / 身体愁訴 / 身体感覚増幅 / 職場ストレス / 職場のストレス |
研究開始時の研究の概要 |
高ストレスを受けている労働者が最初からうつ症状を呈することはまれで、最初は身体不調を訴えることが多い。日本では2017年より職場ストレスチェック制度が導入され、職業性ストレス簡易調査票をモデルとした質問紙が各事業所で実施されている。この質問紙は、身体愁訴の質問項目数が多く含まれているが、メンタルヘルス不全による長期休業の最大要因であるうつ病との因果関係が十分に検討されていない。そこで本研究では、5,000人余りの労働者を対象に、身体愁訴が労働者の生産性に及ぼす影響や職場要因との関連を評価し、身体愁訴によってうつ病の早期発見や発病予防がどこまで可能であるか、3年間の調査で明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、労働者の身体愁訴に影響を及ぼす心理社会的・職場的要因を明らかにし、身体愁訴とうつとの関連を検討した。都内某事業所の労働者2,508人を対象に、職業性ストレス簡易調査票に加えて、うつ病の身体化に関連する質問紙と面接調査を行った。その結果、高ストレス者は301人で、全体の12.0%であった。高ストレス者の主要な身体症状は、疲労、不眠、頚部痛、腰痛と続き、平均身体症状数は6.9であった。身体症状数は、失感情症、身体感覚増幅尺度、身体感覚への破局的思考、うつ、不安などと有意な相関を示し、重回帰分析においてもうつは身体症状数に独立して有意に関連する因子となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うつ病のリスクが高い労働者はうつの部分症状でもある易疲労感と不眠の他に、吐気、息切れ、動悸、腰痛などの身体症状を高頻度に有し、訴える身体症状数自体がうつ傾向をスクリーニングする重要な指標になることが示唆された。本研究により、職業性ストレス簡易調査票の身体愁訴の項目の有効活用が可能となり、職場ストレスチェック時だけでなく、健康診断の場面などでも、新たな経済的負担をかけることなく簡便にうつ病の一次スクリーニングが可能なことを示した。
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