研究課題/領域番号 |
20K10538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
杉山 大典 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (90457052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | コホート研究 / 自己抗体 / フレイル / 生活習慣病 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
膠原病などの自己免疫性疾患で陽性となる自己抗体は加齢などにより陽性率が上昇するが、その要因と臨床的な意義は未だ明らかとなっていない。本研究では、一般住民集団男女を対象とした前向きコホート研究『神戸トライアル』『鶴岡メタボロームコホート研究』を基に、これらのベースライン調査時の自己抗体陽性率と、追跡調査における陽性率の推移、認知症・フレイル・生活習慣病及び循環器疾患の新規発症との関連を検証し、一般集団における自己抗体発現の臨床的・生物学的意義の考察を進め、自己抗体の陽性と認知症・フレイル・生活習慣病及び循環器疾患の関係を評価し、ハイリスクポピュレーションの同定による予防戦略を構築することを狙う。
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研究実績の概要 |
本研究の対象者は研究代表者が参画している高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療歴及び心血管疾患の既往がない都市部住民集団の男女1,134名を対象とした前向きコホート研究『日常的な健康度を指標とした都市コホート研究:神戸トライアル』(神戸研究)および山形県鶴岡市にて健康診断受診者11,002人を対象に質量分析法を応用した様々な手法で低分子の代謝産物を網羅的に解析するメタボローム解析技術を取り入れた前向きコホート研究『鶴岡メタボロームコホート研究』(鶴岡研究)であり、これら2つの地域コホート研究を基盤として、自己抗体と認知症・フレイル・生活習慣病及び循環器疾患の新規発症との関連を検証し、一般集団における自己抗体発現の臨床的・生物学的意義の考察を進め、自己抗体の陽性と認知症・フレイル・生活習慣病及び循環器疾患の関係を評価し、ハイリスクポピュレーションの同定による予防戦略を構築することを目的としている。 しかしながら、2020年度、2021年度に引き続いて、2022年度も新型コロナウイルスの影響により、両コホート研究共に現地調査は規模縮小しての運用をせざるを得ない状況であったため、今年度は既存データを用いた関連研究として、都市部一般住民における内臓脂肪の蓄積とシスタチンCを基にした算出した推算糸球体濾過量の低下速度平均との関連を横断的に評価した研究(神戸研究)や65歳以上の高齢地域住民を対象とした睡眠状態とサルコペニアに関する研究(鶴岡研究)などに携わった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、2022年度は両コホート共に十分な現地調査を行うことが出来ず、保存検体を用いたバイオマーカー等の測定も保存検体を保管している機関へのアクセスが物理的に困難であったため、2022年度に予定通り進めることが不可能であった。 また、研究代表者が本務校所属学部において学部執行部として新型コロナウイルス流行下で教室を始めとした設備管理など様々な学部運営を統括する立場にあったため、2020年度・2021年度に引き続いて教育および学部運営に要するエフォートが大幅に増加し、本研究を含む研究活動へのエフォートを軽減せざるを得ない状況にあった。 このように本研究は予期せぬ新型コロナウイルス流行の影響を大きく受けたこともあり、今年度の研究進捗状況は「(3)やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年4月現在、新型コロナウイルスはまだ完全な収束の目途はたっていないものの、徐々に地域に入っての調査研究が再開されてきている状況であり、感染流行がより落ち着いた頃を見計らって、利用可能な保存検体を用いて自己抗体などの各種バイオマーカーの測定を行う予定である。併せて、ベースラインでの自己抗体測定が完了している神戸研究において、ベースライン調査時自己抗体価と追跡調査での生活習慣病新規発症との関連についての評価をこれまで同様に継続して進める予定にしている。 また、【現在までの進捗状況】で述べたように、今年度は保存血清を用いた自己抗体の測定を見送ることにしたが、その理由は前述のように新型コロナウイルス流行の影響により保存血清保管施設への物理的なアクセスが困難であった事に加えて、保存血清の残量及び保存検体の取り扱いの関係上、別研究にて測定予定のバイオマーカーと併せて2023年度以降に測定する方が望ましいと判断したためである。
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