研究課題/領域番号 |
20K10555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮尾 昌 京都大学, 医学研究科, 講師 (90711466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 法医病理学 / メタボリック症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、非アルコール性脂肪性肝炎(以下、NASH)における血管内皮ミトコンドリア障害と急性心筋梗塞との関連を解明することを目的とする。NASHの発症と病態進展は、急性心筋梗塞発症と相関することが分かっている。血管内皮は、肝臓と心臓に共通に分布し、その内皮のミトコンドリアが障害されると、過剰な活性酸素の産生、アポトーシス、オートファジー、小胞体ストレスを引き起こし、全身臓器疾患の原因となる。しかし、内皮ミトコンドリア障害がNASHと急性心筋梗塞に関連するかは分かっていない。本研究ではモデルマウスと培養細胞を用いて、両疾患病態の関連を解明する。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎、NASHの発症と病態進展は、急性心筋梗塞発症と相関することが分かっていたが血管内皮ミトコンドリア障害と急性心筋梗塞との関連は不明であった。私たちは、NASH進展に伴い、肝細胞内のミトコンドリア過剰分裂の誘導が起きることがわかったが、当初の仮説とは異なり内皮細胞内ミトコンドリアの挙動には大きな変化を見いだすことはできなかった。また、過剰なミトコンドリア分裂を阻害すれば、肝臓内炎症、線維化反応を抑制できることがわかった。これらの研究成果は増え続ける肥満関連疾患による健康障害を抑えるための新しい予防・治療戦略に繋がることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満関連疾患の中で最も若年層の有病率が高く、病態理解の進んでいないNASHは全世界で増え続けており、その予防・治療法開発は持続可能な社会の発展にとって重要である。私たちはモデルマウスを用いた実験研究で、血管内皮やマクロファージ、伊東細胞のミトコンドリア障害ではなく、肝細胞内ミトコンドリアの過剰分裂がNASHの病態を進めてしまう原因となりうることを明らかにした。このように、NASHの病態に関連するものを明らかにしていくことで、肥満病態の危険性と予防可能性の啓発、新たな診断・予防法開発につなげ、1人でも多くの予防可能な死を減らすことに貢献したい。
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