研究課題/領域番号 |
20K10563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 文子 北里大学, 医学部, 教授 (70328128)
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研究分担者 |
入江 渉 北里大学, 医学部, 講師 (80597352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 入浴中の急死 / 窒息 / 心臓性急死 / プルキンエ細胞 / 虚血性変化 / 急死 / 脳神経細胞 / 入浴 / 剖検 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、法医解剖にて多数の入浴中の急死例を剖検を施行しているが、溺水吸引所見のみを認め、器質的疾患が認められず、アルコールや薬物検査が陰性であり、入浴中の急死の死因の判断が困難な症例に遭遇することがある。小脳のプルキンエ細胞は、急性の低酸素状態の際に、最も早期に虚血性変化が現れると報告されており、窒息と心臓疾患で死亡した剖検例の小脳のプルキンエ細胞の虚血性変化は窒息事例で虚血性変化が統計学的有差を持って認められたと報告されている。法医解剖の中で、脳の神経細胞の虚血性変化の程度を病理組織学的および免疫組織化学的手法を用いて調べ、入浴中の急死の発生メカニズムの解明に貢献し、予防策を考察する。
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研究実績の概要 |
北里大学医学部法医学の法医解剖室で、2010年1月1日から2021年5月31日の期間内に剖検された症例の中で、法医解剖例の中で、入浴中急死(溺死)と認められた31例で、その中で器質的疾患(心臓病・血管疾患・その他)で死亡した例 9例、非器質的要因(薬毒物・アルコール) で死亡した例 9例、溺水所見のみ 13例を対象とした。コントロール例として、多発外傷により短時間で死亡20例、急性窒息(誤嚥・絞首、縊死)21例、循環器系疾患21例、低酸素脳症 6例を対象とした。 全ての症例の小脳をホルマリン固定し、パラフィン切片を作成してHE染色、及び1次抗体3種類(HIF-1α抗体,VEGF抗体,Calbindin-D28k抗体)を用いて免疫染色を行った。プルキンエ細胞について、HE染色標本においては、顕微鏡100倍率にてランダムに5カ所で核がある細胞数をカウントし、平均値を算出した。 細胞の変性に従ってType Ⅰ-Ⅲに分類した。上記項目について、Studentのt検定、カイ二乗検定、及びMann-Whitney U検定を用いて統計学的解析を行った。プルキン エ細胞の減少・変性については、各症例の正常細胞数を比較したところ、溺水所見のみの症例についてはプルキンエ細胞の減少は認められなかった。細胞の変性 程度:溺水所見のみの症例について脳の虚血による変性は組織学的に認められなかった。免疫染色結果では、HIF-1α抗体およびVEGF抗体では有意差が認められなかった。 免疫染色結果では、HIF-1α抗体およびVEGF抗体では有意差が認められなかった。Calbindin-D28k抗体では低酸素脳症例で有意差を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
染色した標本を再検討し、現在論文作成に取り組んでいる。必要に応じて、追加の研究を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、今まで施行してきた研究結果を論文にまとめ、必要に応じて、免疫染色の再施行、症例の追加などを行う予定である。
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