研究課題/領域番号 |
20K10564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
野上 誠 帝京大学, 医学部, 教授 (20218291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 血管新生 / 時間遺伝子 / マウス / 免疫組織化学 / CD31 / 創傷 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、創傷治癒過程における血管新生で、時間遺伝子の果たす役割を解明する。 このため、時間遺伝子の変異マウスとそのコントロールマウスに皮膚創を作成し、皮膚を採取し、血管を免疫染色して、血管形成の時間的進展の違いをを形態学的に明らかにする。さらにこれらのマウス由来及び他の培養細胞を用いて、時間遺伝子の寄与を検討する。 これらにより、血管新生で、時間遺伝子機能の有無により、どのような違いが現れるかを明らかにする。 これは、創傷治癒過程における血管修復に、時間遺伝子が関わっていることを明らかにする新しい研究である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、時間遺伝子が血管新生に果たす役割を明らかにすることである。研究代表者は、過去の研究において、透過型電子顕微鏡により血管内皮の創部へののびだしを観察し、幼弱な内皮細胞と考えられるものが分裂している像を認めた。光顕では創部に新生した血管が、早期では皮膚に直角方向に長く伸び出しており、これが時間とともに健常部同様の血管走行に変化していくことを確認している。これは内皮細胞の形態の一種のリモデリングと考えられ、血管内皮構造のリモデリングという新しい概念があることを示している可能性がある。このような形態変化を捉えることにより、創傷の古さの判定や、治癒過程が正常に進んでいるかを判定することができることが期待される。さらに、研究代表者は、過去の研究において、時間遺伝子のミュータントマウスでは、血管新生因子のmRNAの発現の時間経過がコントロールマウスと異なっていることを明らかにしてきた。 そこで、本研究においては、時間遺伝子のミュータントマウスである B6.Cg-Per2tm1Brd Tyrc-Brd/JとそのコントロールマウスであるB6(Cg)-Tyrc-2J/Jについて、皮膚に創を作成し、一定期間後に創の組織を採取し、連続切片について血管内皮マーカーであるCD31で免疫染色し、3D画像を構築してきた。3D構築は厚みにおいて立体像に限りがあるため、通常の免疫染色像において新生血管伸び出しの面積を計測した。その結果、時間遺伝子のミュータントマウスでは、コントロールマウスに比べて、新生血管の伸び出しの面積に有意差は見られないことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
時間遺伝子ミュータントマウスにおいて、創部の血管新生の進展につき、免疫組織化学的評価を実施した。すなわち、本研究においては、時間遺伝子のミュータントマウスである B6.Cg-Per2tm1Brd Tyrc-Brd/JとそのコントロールマウスであるB6(Cg)-Tyrc-2J/Jについて、皮膚に創を作成し、一定期間後に創の組織を採取し、連続切片について血管内皮マーカーであるCD31で免疫染色し、3D画像を構築してきた。3D構築は厚みにおいて立体像に限りがあるため、通常の免疫染色像において新生血管伸び出しの面積を計測した。 その結果、時間遺伝子のミュータントマウスでは、コントロールマウスに比べて、新生血管の伸び出しの面積に有意差は見られないことが示された。
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今後の研究の推進方策 |
過去の研究において、時間遺伝子のミュータントマウスでは、血管新生因子のmRNAの発現の時間経過がコントロールマウスと異なっていることを明らかにしてきた。 そこで、マウスを、明暗の日内変動をなくした環境下に置き、創部の血管新生因子のmRNAの発現に変化が生じるかを検討する予定である。
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