研究課題/領域番号 |
20K10566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
山口 晃志 日本医科大学, 医学部, 講師 (90465344)
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研究分担者 |
崔 范来 日本医科大学, 医学部, 助教 (60424751)
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80465343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | LC-MS/MS / 誘導体化 / 陰イオン / 硫化水素 / シアン / 固相抽出 / 法医中毒 |
研究開始時の研究の概要 |
中毒事案が発生した場合、中毒の原因物質を血液や尿などから検出することで、中毒を証明する必要がある。しかし、硫化水素、硫化水素の代謝物であるチオ硫酸、シアン、シアンの代謝物であるチオシアン酸などは、分析が困難である。 我々はこれまでの予備実験において、ブロモアセチル基を有する化合物をこれらの物質と反応させる(誘導体化)ことで、LC-MS/MS(液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計)で高感度に分析できることが分かった。 そこで本研究では、硫化水素、チオ硫酸、シアン、チオシアン酸などを誘導体化し、LC-MS/MSで分析できる方法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
分子量が小さく、陰イオン性の物質は、逆相カラムに保持しない、イオン化の効率が悪いなどの理由により、LCMS分析に適していない。そのため、血液や尿などの試料に含まれるこのような物質を分析することは困難である。本研究では、LCMS分析に使用可能なアルキル化剤を用いて、陰イオン性物質をLCMS分析に適した物質に誘導体化し、分析する方法の開発を目指している。 当初、法科学的に重要なシアンや硫化水素の分析を目指していた。しかし、これらの物質は小分子で取り扱いが難しく、また、内因性の物質でもあるため、分析の可否が見極めにくく、非常に困難であった。そこで、まずは陰イオン性物質の誘導体化LCMS法による分析の有用性を実証するため、フェノバルビタール、イブプロフェン、バルプロ酸などの陰イオン性医薬品の誘導体化LCMS法による分析を検討した。 陰イオン性医薬品を含む血液を除タンパクした後、アルキル化剤を加え、加熱した後、得られた溶液をLCMSにて分析した。イブプロフェンは、感度及び選択性いずれにおいても十分に実際の分析に適用できそうな結果が得られた。一方、フェノバルビタールは、誘導体化物の安定性が低く、加熱中に分解することが確認された。また、バルプロ酸は、内因性物質(おそらくバルプロ酸の構造異性体である脂肪酸)がバルプロ酸誘導体化物と保持時間が一致し、分離が困難であった。そこで、誘導体化条件や、LCの分離条件を検討した。現在、分析法のバリデーションを検討するための準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
血液に含まれる成分が分析する時に妨害ピークとなることが分かり、これらの成分との分離が困難であることが分かった。これらの障害を回避するために、分析条件の再検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で開発した分析法のバリデーションを、規定に従って検討する。医薬品以外の陰イオン成分の分析に使用可能かどうかを検討する。
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