研究課題/領域番号 |
20K10579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
西垣内 磨留美 長野県看護大学, 看護学部, 名誉教授 (70360021)
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研究分担者 |
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 看護系大学院生 / 教育的支援 / 英文要約 / 看護系若手研究者 / 教育支援 / 英文要約作成支援 |
研究開始時の研究の概要 |
大学院における英語教育を補い、修了後も活用できる看護系大学院生に適した英文要約作成支援の方策の検討が急務であると考え、先行研究において、タブレット機器等を介して効果が上がる英文要約作成に関して、看護系大学院生支援の方法を検討した。 本研究では、先行研究を受け、試行とそれに伴う調査を通じ、改善策を探り、英文要約作成支援のシステムが公開に耐える精度を持ち、その実用化によって看護系若手研究者支援、特に研究公表支援として機能するものであるかを検討する。並行して、自立して英文要約を作成できる能力を培うことを目標に、英文法部門を拡充して再構築し、教育的側面の充実を図ることも視野に入れている。
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研究実績の概要 |
本研究は、英文要約作成システムの構築により、看護系若手研究者の研究公表支援、看護系大学院英語教育の補足、さらには利用の拡大や定着により見込まれる波及効果として、看護学研究の発展への寄与を行うことを目的としたプロジェクトの一環として位置付けられている。令和4年度は、前年度までの遅れを取り戻し、先行研究において制作したシステムの実効性の確認の第1段階、すなわち、看護系の大学院生、若手研究者を対象とする、タブレット機器に搭載した英文要約作成システムの試行、並びにアンケート調査によって、その結果から、システムに盛り込まれた内容、及び操作性を検討し、実効性の確認と改善版の作成を目指した。 しかしながら、令和4年度においても、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、研究開始当初の予定通りの研究計画を遂行することは困難な状況であった。とはいえ、令和4年度は、先行研究において作成したシステム初版の内容に関する再検討については進めることができた。システム全体の確認、また、コンテンツについては、文法セクションでは英文要約作成に不可欠の文法の追加、例文セクションでは、表現、および分類の確認、見直しを行なった。これらの検証を経て、より包括的、網羅的な内容となったと考えられる。広く参加者に協力依頼する試行には至らなかったが、令和4年度のシステム検討、改善を経て、試行と同様の確認作業が可能な状況となった。 令和4年度は、学会活動が好転したため、関連学会に参加し、「看護系大学院生のための英文要約作成支援システムの検討」と題した成果報告を行うことができた。先行研究を含めたプロジェクト全体について解説し、研究の経過、システム初版の制作と検討など、これまで公表が困難であった内容も含め、これまでの成果について報告を行った。学会参加者から、本プロジェクトに対する反応を確認し、意見を収集できたことは収穫と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、コロナ禍による影響を受ける性質の研究ゆえに、その遅延により、昨年度の進捗状況から大きく進展したとは言えない状況にならざるを得なかった。令和4年度においては、コロナウィルスの感染拡大については、ある程度の落ち着きを見せたものの、終息には至らず、医療、教育関係業務の完全な正常化は見込めず、前年度までの多大な遅れを取り戻し、コロナ禍を予期せず作成した当初の計画に沿って研究を遂行できる状況とはならなかった。公開を前提とする実効性の確認にはシステムの試行が不可欠であり、本研究課題の根幹を成すものであるが、試行を含む調査は、単に、アンケートに応えるだけでなく、一定の期間、システムを利用し、動作確認や内容の確認を伴うもので、一定の期間、対象者の拘束時間を要する調査参加となる。対象者である、看護系大学院生、若手研究者らは、ほとんどが医療職、または教育職に従事しており、昨年度までの新型コロナウィルス禍の影響下では、協力依頼を自粛せざるを得なかった。 進められるプロジェクトの内容として、先行研究において作成したシステム初版の内容に関する再検討、精査について進め、より包括的、網羅的な内容となる検証を計画、実施した。具体的には、システム全体の確認、また、コンテンツについては、文法セクションでは英文要約作成に不可欠の文法の追加、例文セクションでは、表現、および分類の確認、見直しを行い、関連学会においてこれまでの成果報告を行う年度となった。
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今後の研究の推進方策 |
すでに制作したシステム初版の内容に関する再検討については進んでいるため、令和5年度には試行のための改善版の作成に向けた作業が可能となった。まずは、本来の計画にあった大規模な試行の代替措置として、計画していた試行と同様の手順を採用し、研究分担者とともに前段階的な試行を試み、システムの確認、及び、コンテンツの確認を進める。動作確認、内容確認、その後の検討を経て、例文セクションを改善するとともに、文法セクションの精査と更なる拡充を目指す。計画当初のシステム試行の実現如何に関わらず、システム第2版については作成する意向を持っている。試行を視野に入れ、本格的な計画の遂行に向けてより良いもので実施できるように備え、プロジェクトを前進させたいと考えている。新型コロナウィルス禍の状況、並びにアンケート対象者のその対応状況、医療職、教育職の平常化への進捗状況など、十分に検討し、負担の程度に配慮しつつ、状況が許せば、昨年度までに実行に至らなかった計画から順次実行する方針を据え、研究開始当初の計画に近づけるよう、研究の遂行に努める所存である。
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