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看護職者が管理・使用する物品を介した医療関連感染のリスクの検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K10586
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58050:基礎看護学関連
研究機関公立小松大学 (2023)
北里大学 (2020-2022)

研究代表者

伊藤 道子  公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (30261671)

研究分担者 林 俊治  北里大学, 医学部, 教授 (40260765)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード看護職者 / 感染看護 / 医療関連感染 / 細菌汚染 / 感染管理 / 医療で使用される物品の汚染 / 看護師 / 医療関連感染対策 / 医療で使用される器具汚染
研究開始時の研究の概要


医療施設において看護職者が管理・使用する物品を介して細菌が伝播される危険性について検討し、その伝播を防ぐための方法を考案するのが本研究の目的である。そのために、医療施設において看護職者が管理・使用する物品の管理状況および細菌汚染の状況を調査する。この調査の分析結果から、これらの物品を介した細菌伝播を防ぐためには、物品をどのように管理すればよいのかを考案する。

研究実績の概要

医療施設において看護職者が管理・使用する物品を介して細菌が伝播される危険性について検討し、その伝播を防ぐための方法を考案することが本研究の目的である。そのために、医療施設において看護職者が管理・使用する物品の管理状況および細菌汚染の状況を調査実施した。
具体的には、以下の物品を本研究の調査対象とした。①医療用テープ、②駆血帯、③速乾性擦式手指消毒薬を入れる携帯用ポーチ、④据え置き型全自動血圧計のマンシェット、⑤ネームプレートおよびそのケース、⑥PHSおよびそのストラップ。いずれも医療施設で汎用されている物品であるが、それらの清潔を維持するための明確なガイドラインやマニュアルがない。 以上の物品のうち、医療用テープ、駆血帯および速乾性擦式手指消毒薬を入れる携帯用ポーチ(以下、ポーチ)の調査は終了した。医療用テープは高頻度に細菌に汚染されており、テープを介した細菌の伝播が起こりうることが明らかになった。汚染菌種は主にヒトの皮膚の常在菌および環境汚染菌であった。テープは使用時間が長くなるにつれ、汚染が進む傾向があり、テープの携行の仕方も汚染と密接な関連があった。駆血帯も細菌に汚染されることがあり、汚染駆血帯の使用によって細菌の伝播が起こりうることが判明した。しかし、駆血帯を洗浄・消毒することによってそれを抑えることが可能であった。また、ポーチにも細菌汚染がみられていた。そして、「定期的に洗浄すること」が細菌汚染を防ぐことが明らかになった。
以上の結果をマニュアルとしてまとめ、それを医療現場に還元することで、これらの物品を介した細菌の伝播を防ぐことを本研究は目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

医療施設において看護職者が管理・使用する物品を介して細菌が伝播されるのを防ぐための方法を考案することが本研究の最終目標である。そのために、これらの物品の管理状況と細菌汚染を調査し、両者を比較分析する必要がある。具体的には、以下の物品を調査対象としている。①医療用テープ、②駆血帯、③速乾性擦式手指消毒薬を入れる携帯用ポーチ、④据え置き型全自動血圧計のマンシェット、⑤ネームプレートおよびそのケース、⑥PHSおよびそのストラップ。これらの調査対象別に進捗状況を以下に記載する。
医療用テープの調査:医療用テープの調査は終了した。その成果も国内外の学会で発表済みである。さらに、この成果をまとめた論文を執筆中である。また、この成果を基に、テープを介した細菌の伝播を防ぐためのマニュアルを作成する必要があり、執筆中である。
駆血帯の調査:駆血帯の調査も終了した。その結果、消毒を怠った駆血帯を用いると、細菌の伝播が起きることが明らかになった。この調査結果は既に国内外の学会で発表した。さらに、この結果に基づき、駆血帯を介した細菌の伝播を防ぐためのマニュアルの作成に着手している。
速乾性擦式手指消毒薬を入れる携帯用ポーチの調査:調査対象となる携帯用ポーチの調査も終了した。その結果、多くのポーチに細菌汚染が認められ、ポーチに手指が接触することで細菌の伝播が起きることが明らかになった。その成果は国内の学会発表を経て、2023年度国外で発表した。
自動血圧計のマンシェット・ネームプレートおよびそのケース/PHSおよびそのストラップの調査:計画したが、 研究倫理申請に至っていない。COVID-19 が5類感染症となったが、病院内でクラスターを起こすことは容認されていない。つまり感染管理対策の継続が必須であることに変化はない。その状況でさらに負荷をかけて、複数の病院へ検体採取を依頼することが難しいためである。

今後の研究の推進方策

研究の調査対象は以下の物品である。①医療用テープ、②駆血帯、③速乾性擦式手指消毒薬を入れる携帯用ポーチ、④据え置き型全自動血圧計のマンシェット、⑤ネームプレートおよびそのケース、⑥PHSおよびそのストラップ。これらの調査対象別に今後の研究の推進方策を以下に記載する。
医療用テープの調査:医療用テープの調査は終了しており、その成果も国内外の学会で発表済みである。さらに、この成果をまとめた論文を執筆中である。また、この成果を基に、テープを介した細菌の伝播を防ぐためのマニュアルを作成する必要があり、現在、執筆中である。 駆血帯の調査:駆血帯の調査は終了しており、その成果も国内外の学会で発表済みである。さらに、この成果をまとめた論文を執筆中である。また、この成果を基に、駆血帯を介した細菌の伝播を防ぐためのマニュアルを作成する必要があり、現在、執筆中である。 消毒薬を入れる携帯用ポーチの調査:同ポーチの調査は終了しており、その成果も国内外の学会で発表済みである。それらに加え、この成果をまとめた論文を執筆中である。また、この成果を基に、ポーチを介した細菌の伝播を防ぐためのマニュアルを作成する必要があり、現在、執筆中である。
据え置き型全自動血圧計のマンシェット、ネームプレートおよびそのケース、PHSおよびそのストラップについては、調査可能性について、計画の変更を含め検討していく。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 新型コロナウイルスパンデミック期における感染管理と看護2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤道子、林俊治
    • 雑誌名

      日本防菌防黴学会誌

      巻: 48(9) ページ: 481-486

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] Bacterial contamination of holder bags to carry antiseptic hand rub bottles2023

    • 著者名/発表者名
      Michiko Ito, Akane Ninomiya, Kazuko Ishii, Mami Sanada ,Akie Shimada, Noriko Ohno, Atsuhiro Kanayama and Shunji Hayashi
    • 学会等名
      The 19th Asia Pacific Congress of Clinical Microbiology and Infection & The 26th Conference of the Korean Society of Clinical Microbiology(APCCMI 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Bacterial contamination of holder bags to carry antiseptic hand rub bottles2023

    • 著者名/発表者名
      Michiko Ito, Akane Ninomiya , Kazuko Ishii, Mami Sanada , Akie Shimada , Noriko Ohno, Atsuhiro Kanayama Shunji Hayashi
    • 学会等名
      The 19th Asia Pacific Congress of Clinical Microbiology and Infection & The 26th Conference of the Korean Society of Clinical Microbiology(APCCMI 2023)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] COVID-19患者対応をした看護師が看護を継続できた理由およびその経験から得られたもの2022

    • 著者名/発表者名
      石井和子,伊藤道子,金山敦宏,林俊治
    • 学会等名
      日本環境感染学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 病院で使用される速乾性擦式手指消毒薬携帯用ポーチの細菌汚染と管理状況の検討2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 道子, 二宮 茜, 石井 和子, 真田 麻美, 島田 明恵, 大野 典子, 金山 敦宏, 林 俊治
    • 学会等名
      第89回神奈川県感染症医学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 看護師が使用する速乾性擦式手指消毒薬を入れる携帯用ポーチの細菌汚染と管理状況の検討2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤 道子, 二宮 茜, 石井 和子, 真田 麻美, 島田 明恵, 大野 典子, 金山 敦宏, 林 俊治
    • 学会等名
      日本環境感染学会総会 36回
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] サージカルテープの管理状況についての意識調査2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤道子、荒木大輔、石井和子、池田紀子、深堀信子、鈴木理絵、森岡久美子、林俊治
    • 学会等名
      第88回神奈川県感染症医学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 感染症/アレルギー・免疫/膠原病 (新体系看護学全書 成人看護学⑨)2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤道子、林俊治 他
    • 総ページ数
      512
    • 出版者
      メヂカルフレンド社
    • ISBN
      9784839234089
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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