研究課題/領域番号 |
20K10591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
江頭 典江 京都先端科学大学, 健康医療学部 看護学科, 嘱託講師 (70547463)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 看護過程 / 自己像 / 看護職 / 歴史 / 専門職化 / j自己像 / 歴史的変遷 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1970年代以降、徐々に変化していく日本の看護職の社会的役割をその自己像の歴史的変遷という視点から検討するもので、文献資料および「看護過程」という看護のアプローチ法の導入に貢献した方々の語りを通し、解釈を試みることを目的とする。 看護職の自己像とは、看護職が社会の中で自己のあり方をどう捉えていたかということである。第二次世界大戦後、日本は職業教育として専門学校で多くの看護師を養成し、看護が自立した専門職となるには時間を要した。当時の看護職の自己像が「看護過程」の導入や看護学の体系化を背景に変化していく様子をとらえ、その要因を検討する。
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研究実績の概要 |
「看護過程」が、戦後日本における看護職の自己意識を変えたのではないかという仮説の下に、これまで「看護過程」の日本への導入に貢献したと考える5名の貢献者にインタビューを行ってテキストマイニングソフトでまとめ、令和4年度に4つの学会で結果を報告した。 令和5年度は、個人的史料である5名全員のインタビューデータすべてを用い、計量テキスト分析ソフト(KHCoder)で分析した。その結果は、「看護過程」がアメリカ発祥の看護のアプローチ法でもあるため、9月にアメリカ看護歴史学会(AAHN)の第40回大会(ペンシルベニア州ピッツバーグ)において発表した。また、8月には、専門職としての看護職の歴史的発展を検討する上で、「看護過程」の導入が不可欠であった内容をまとめ、第37回日本看護歴史学会(小田原市)で発表した。さらに、「看護過程」に関する基礎資料として、看護基礎教育におけるテキストを調べ、「看護過程」の看護教育への導入の経緯を文献検討した。この論文は、令和6年3月発行の日本看護歴史学会誌に研究報告として掲載された。 今年度に得られた知見は3つある。①1970年代初頭の日本の「一県一医大」政策により、地方の病院が次々と建設され、新たな大学病院では科学的思考に基づく看護実践としての「看護過程」が歓迎された。②日本の診療報酬システムで看護料の規定に必要な看護記録が「看護過程」で明確化された。③看護師養成課程のテキスト(1950年代から2010年代)において、看護職が医師の補助的役割から、「看護過程」導入以降より主体的に人々の健康支援に関わる専門職として変わっていく様子が捉えられた。 コロナ禍でインタビューが計画通り進まなかったこともあり、令和6年度も再延長申請を行なった。最終年度は看護職の自己意識を示す自己像と看護職のアイデンティティの概念整理を行い課題の論文報告を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症の全国的な影響により、対面でのインタビューデータ収集が計画通り進まなかった。そのため、順次作業が遅延し、昨年度研究期間を1年延長した。しかし、課題完成には至らなかったため、引き続き令和6年度も再延長申請を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、看護職の自己意識を示す自己像と看護職のアイデンティティの概念整理を行い、課題の論文報告を行う予定である。
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