研究課題/領域番号 |
20K10593
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
池西 悦子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (90280106)
|
研究分担者 |
飛田 伊都子 滋慶医療科学大学, 医療管理学研究科, 教授 (30362875)
空間 美智子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 准教授 (00623406)
奥津 文子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (10314270)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 臨床看護師 / リフレクション / ファシリテーション / 教育プログラム / 行動分析 / 成功循環モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、成功循環モデルを用いて学習者とファシリテーターの相互作用「関係」に焦点をあて、「行動の前提となる思考を明らかにし行動変容を導くリフレクション」の活用を『思考的側面』、「行動の先行事象と後続事象を操作することにより行動変容に導く応用行動分析学」の活用を『行動的側面』として、これらを併用するフィードバックを活用した育成プログラムの開発に取り組む。そして、プログラムの有用性を①学習者とファシリテーターの自己効力感尺度の変化率と推移、②学習者の認識が変化した場面数と推移、③有効なファシリテーションのうち実施できた数と推移、②③の関係から検証する。
|
研究実績の概要 |
リフレクションは、看護専門職が実践経験から新しい知識や概念の発見につなげ、学びを深める方法として有効性が認知されている一方で、失敗経験をリフレクションする場合には自尊心を傷つけるリスクがある。このことから、本研究では、有効なリフレクションを導くファシリテーターの育成プログラムを開発し、その有用性を検証することを目的とする。 2021年度は、2020年度に実施できなかったリフレクションを支援するファシリテーターの育成プログラム開発を行うために、①リフレクション研修参加者を対象に、学習者役割を担う経験2年目看護師4名とファシリテーター役割を担う5~10年目看護師4名を募集し、②学習者とファシリテーターがペアとなり、学習者の経験事例のリフレクションをファシリテートする場面の音声、および画像データを収集し、③リフレクティブな思考が促進されたり、気づきが得られたフィードバックについて、関係、思考、行動に焦点を当て、分析を行った。 リフレクション場面における学習者とファシリテーターの対話データのプロトコル分析と、映像データの行動分析を行った結果、学習者の新たな気づきを導くファシリテーションの要素として、①遡及的な発問、②共感的態度、③肯定的フィードバック、④協同的探求、⑤相互に納得できる実践の意味構成が抽出された。そして、ファシリテーターの視線や姿勢、言動は、学習者のその後の発言や行動に影響を与えていることが明らかとなった。一方で、ファシリテーターは、言動後の学習者の反応を確認しておらず、意図的な介入には至っていないことが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、学習者とファシリテーターの関係性、思考、行動の3側面から、有効なファシリテーションのモデルを明らかにし、そのモデルに基づいたファシリテーター教育プログラムを作成する予定であった。しかし、2020年度のCOVID-19感染拡大の影響を受けて、2021年度も継続してデータ収集と分析を実施したため、要素の抽出に留まり、モデル、および育成プログラムの作成には至らなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、学習者とファシリテーターの関係性、思考、行動の3側面から、有効なファシリテーションのモデルを明らかにし、そのモデルに基づいたファシリテーター教育プログラムを作成する。また、作成した教育プログラムを実施し、有効性の検証に取り組む。
|