研究課題/領域番号 |
20K10609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
小川 智子 島根県立大学, 看護栄養学部, 講師 (50551751)
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研究分担者 |
山下 清香 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (40382428)
中谷 久恵 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90280130)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 保健師 / 専門職としての自信 / 職場内研修(OJT) / 新任期から中堅初期 / 職場外研修(Off-JT) / 現任教育 / キャリア形成 |
研究開始時の研究の概要 |
保健師が地域住民へ質の高い保健サービスを提供するためには,知識や技術を高める教育だけでなく,社会的に担う責任や価値を認識し,実践に自信をもつキャリア支援が肝要である.本研究の目的は,新任期から中堅初期にある保健師(経験年数概ね10年未満の保健師)の専門職としての自信を高める職場内研修(OJT)モデルを開発して効果を検証することである.本モデルは,自信の獲得から保健師のキャリア形成を促す現任教育であり,自治体ごとの体系的な教育方法の実用化をねらいとしている.
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研究実績の概要 |
2022年度は,新任期から中堅初期にある保健師の専門職としての自信を高める職場内研修(OJT)モデルの開発に向け,介入研究の評価指標となる尺度の信頼性と妥当性を検討する量的調査を実施した。 調査方法は,A県内の行政機関に勤務する常勤保健師1,142名を対象に,2017年度に実施した調査(調査1)とは異なる集団における尺度の信頼性と交差妥当性を検討するため,基本属性と専門職としての自信を尋ねるアンケート調査を実施した(調査2)。信頼性は,尺度全体と下位尺度毎のCronbachα係数を算出して検討し,交差妥当性は,調査1と調査2の対象者を2群に分類して多母集団同時分析にて検討した。 回収数(率)は241人(21.1%)であり,分析対象者は160人(14.0%)であった。平均年齢は45.09±10.6歳であり,年代は50代以上が最も多く45.6%,保健師としての経験年数は16~25年と26年以上が同数で30.0%であった。所属機関は,保健所設置市・特別区が41.3%,市町村が40.6%であった。職位は,主任級が最も多く45.6%であった。専門職としての自信尺度全体および下位尺度毎のCronbach α係数は,全体が0.957であり,「技術的な実践」0.914,「主体的な学習」0.889,「根拠の追求」0.904,「職場の教育者」0.852であった。多母集団同時分析による交差妥当性の検討では,パラメータの最も等値制約をかけた第6ステップの条件下でもモデルの適合度はχ2/df=3.148,CFI=0.925,TLI=0.924,NFI=0.894,GFI=0.866,RMSEA=0.059であり,概ね統計的許容水準を満たしていた。専門職としての自信尺度は得点が高いほど保健師としての自信を獲得していることを表す評価指標として活用できることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は,自治体保健師を対象とする研究であったことから,2020年度及び2021年度のCOVID-19における健康危機に直面している保健師の労働状況を考慮して量的調査の実施を延期していた。2022年度は,A県内の行政機関に所属する保健師に限定した量的調査を行い,尺度の信頼性と妥当性を検討して保健師の専門職としての自信を高める職場内研修(OJT)モデルの開発につながる評価指標を開発した。 今後は,教育プログラムの開発に向けて,開発尺度による介入研究の効果を検証する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,A県およびB県の行政機関に所属する統括保健師に,経験年数10年未満の保健師を対象とした専門職としての自信を高めるOJTプログラムを周知し,研究への協力が得る。協力が得られた自治体の保健師を対象に1年間の教育プログラムを実施し,開発尺度を用いて介入前,中間,介入後の保健師の専門職としての自信の得点を比較し,教育効果を検証する。 教育プログラムにおける教材開発では,現職保健師からの多くの意見を聴取して動画や資料といった教育媒体作成し,実践で活用しやすい教育プログラムの開発につなげる。
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