研究課題/領域番号 |
20K10616
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 武蔵野大学 (2023) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2022) 東京医療保健大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山花 令子 武蔵野大学, 人間科学部, 准教授 (40642012)
|
研究分担者 |
鈴木 美穂 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (70645712)
池田 真理 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70610210)
山本 則子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90280924)
中山 章子 公益財団法人がん研究会, 有明病院 看護部, 看護師 (50839173)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 臨床判断 / 看護実践 / 気づき / フィジカルイグザミネーション / 実装戦略 / フィジカルアセスメント / 実装研究 |
研究開始時の研究の概要 |
看護師の臨床判断力は安全な看護の提供に不可欠である。臨床判断には、患者の身体情報を問診、視診、聴診、触診、打診といった技術を用いて得る必要がある。しかし、これらの技術を用いた情報収集の実施率は高くない。本研究は、先行研究で学習機会が提供されにくいと言われている小中規模病院に着目し以下を目的とする。 1:中小規模病院管理者のフィジカルイグザミネーションに関する問題意識(阻害・促進要因)を明らかにする。 2:促進要因の活用および、阻害要因に対処し学習機会を提供する実装戦略を開発する。 3:実装戦略によって中小規模病院においてPEの学習機会の提供ができるか、それによって実践に改善がみられるかを検証する。
|
研究実績の概要 |
令和5年度は気づきの概念構造を明らかにすることを目的に、それまでに行った臨床判断(気づき)の概念分析や参与観察・インタビューをもとに、看護実践における気づきの質問項目を作成し、全国の中・大規模約8000病院から150施設をランダムサンプリングし、研究に同意が得られた38病院、913名の看護師を対象にアンケート調査(紙面、オンライン)を行った。578名(回収率63%)から回答を得た。 また、申請時に予定していた、中小規模病院管理者のPEに関する問題意識(阻害・促進要因)を明らかにする看護管理者を対象としたインタビュー調査を、COVID-19が5類となったこともあり実施可能となり、8名に行った。インタビューガイドはCFIR;Consolidated Framework for Implementation Researchを参考に作成し、半構造化インタビューを行った。 気づきの構造や実践現場におけるPEの実装・阻害要因が明らかになることで、PEの学習機会を提供する戦略として、どのようなことに重点を置き、どのような学習内容をプグラムに盛り込むことが、気づきや実践でのPE実装につながるかの検討材料が得られると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時、看護師の臨床判断力は安全な看護の提供に不可欠であり、それには患者からフィジカルイグザミネーション(以下、PE)を用いて必要な情報を得る必要があることから、先行研究で学習機会が提供されにくいと言われている小中規模病院に着目し以下を目的とした。 1:中小規模病院管理者のPEに関する問題意識(阻害・促進要因)を明らかにする。 2:促進要因の活用および、阻害要因に対処し学習機会を提供する実装戦略を開発する。 3:実装戦略によって中小規模病院においてPEの学習機会の提供ができるか、それによって実践に改善がみられるかを検証する。 しかし、令和2年、3年とCOVID-19 感染拡大による混乱があり、県外移動の制限や個人情報の観点からオンラインインタビューの実施について倫理審査委員会の許可が得られない状況があった。そのため、初期計画を実施可能な内容に修正を行った。令和3年に臨床判断、フィジカルアセスメントに関する文献検討を行い、気づきがおこることでPEでの情報収集につながることから、気づきに関する概念分析い、令和4年は機縁法で看護実践における気づきに関する参与観察およびインタビュー調査を10名の看護実践者に実施した。令和5年は概念分析及び参与観察・インタビュー結果を基に気づきの概念構造を明らかにするために質問紙を作成し、プレテストを実施後に全国の中・大規模病院から150施設をランダムサンプリングし同意が得られた38病院913名に配布した。結果578名(回収率63%)から回答を得た。また、COVID-19が5類となったこともあり申請時に予定していた目的1:中小規模病院管理者のPEに関する問題意識(阻害・促進要因)を明らかにするために8名の看護管理者にインタビュー調査を行った。現在これらのデータについての分析を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
看護師が看護を実践する上で行う様々な判断のもととなる気づきに着目して研究やPEの阻害促進要因を明らかにするための研究を進めてきた。これらを踏まえて申請時に計画していた、2:促進要因の活用および、阻害要因に対処し学習機会を提供する実装戦略を開発する。については計画を進めていく予定である。その後に予定をしていた戦略の実装評価に関しては遂行への課題があると現段階では考えている。一つは、現在でもCOVID-19感染対策として、院内へ部外者が技術研修のために入る事への課題も少なくないこと、もう一つは社会状況を踏まえるとオンラインやAIを用いた研修方法などが現実で持続可能性のある方法であると考えられることである。しかし、PE研修は技術研修で在り、より効果的な実装戦略としてオンラインやAIを用いた研修が有効かの検討は、現在進められている研修方法を踏まえて検討を重ねていく必要がある。そのため実装戦略の開発に多くの時間を要することが予想される。本年度は最終年度であるが、現在分析中のデータを踏まえ、より効果的な実装戦略の開発、実装可能性の評価までを行う予定とする。
|