研究課題/領域番号 |
20K10650
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 一宮研伸大学 (2022) 関西医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
藤本 悦子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (00107947)
|
研究分担者 |
荒川 満枝 鳥取看護大学, 看護学部, 教授 (00363549)
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (20327977)
大島 千佳 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30405063)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
林 みつる 関西医科大学, 看護学部, 講師 (20300402)
神田 知咲 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90613802)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 解剖生理学 / 根拠 / 指針 / 看護技術 / アンケート作成 / 看護 / 解剖生理学的エビデンス / 教育 / 看護教育 / 実践と乖離しない / エビデンス |
研究開始時の研究の概要 |
看護は人体の構造と機能にかなった方法で提供されなければならない。しかし現行の解剖生理学教育は看護実践と乖離していることが指摘されている。解剖生理学教育を整理し、看護の視点から見直す必要があると考えられる。 本研究では、1) 解剖生理学担当と看護専門科目担当の教員へアンケート調査を行い、看護教育で必要な内容を抽出する。2) 看護師長へアンケート調査を行い、臨床の場で不足している解剖生理 学を把握する。3) これらのデータを基にブレーンストーミングを行い、様々な手法を活用して教育を構築する。この時、要所に看護技術について実験を行い、解剖生理学との関連を検証しながら、内容を洗練させる。
|
研究実績の概要 |
1)アンケート内容について 令和4年度はアンケートの内容を充実させた。必要な看護技術の主体は、昨年のものと同様であるが、さらに三角筋への筋肉注射、嚥下の際の喉頭蓋の動きと胃管チューブを押し進めるタイミング、リンパ浮腫に対する看護ケア等について、教育すべきであるかどうかを検討し、また同時にわかりやすい表現方法を模索した。これらのことをアンケート内容に付加した。わかりやすい表現方法として視覚的な表現を充実させることを決定した。 2)指針に示す解剖生理学的エビデンスについて 昨年に引き続き「離床を促す時の血圧変化」「糖尿病患者の離床のタイミング」「リンパ浮腫へのケア」「遷延性意識障害」「感染」に関連した研究を推進している。さらに本年度は「三角筋への筋肉注射」に焦点を当てた。私ども(2012)は看護教育で示されている肩峰から三横指下への注射は腋窩神経を傷つける危険性あることを指摘してきた。しかし、ではどこがよいかということにまで言及することができなかった。一方、COVID‐19ワクチンの三角筋への注射が世界中で行われるになった現在、安全な部位の特定が喫緊の課題となる。私どもは奈良医科大学が推奨する部位に注目した。この注射部位のエビデンスを求めるべく解剖体を使って安全性を確かめた(発表予定)。その結果、この注射部位は安全で最適であることが分かった。このため従来教育されてきた肩峰から三横指下を改め新しい内容を指針に組み込むことを決定した。また看護学生にとって、マクロファージ、結合組織などは、言葉ではよく知っていても、今一つ理解が難しいということが分かてきた。その理由の一つとして、多くの看護の教科書では絵が描かれているのみであることがあげられる。このために組織像を要所に取り入れることを念頭に、顕微鏡写真を撮影した。 【文献】藤本ら:解剖生理から見直す看護技術、Gakken 6-12(2012)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アンケート調査の実施が遅れている。本研究は、ブレーンミーティングに基づいて精力的に推進していくデザインである。COID-19のために遠隔会議を頻繁に開催したが、対面会議に比べ、なお会議内容に不足するところがあった。また研究対象の病院にアンケートを送付しても、病院側がCOVID-19の対応に忙殺されているため、回収率が著しく落ちることが予想された。したがって、アンケートは令和5年度に実施せざるを得ない状況となった。これに加えて、当初研究チームは、7名であったが、令和4年にそのうち研究代表者をはじめ4人が異動あるいは退職し、アンケートを実施する令和5年4月にはさらに1人が異動した。このため施設の機器や研究環境、倫理審査申請に変化が見込まれたために、将来を見越した継続した研究内容に支障が生じた。以上から、研究全体が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度はコロナ禍が落ち着くと予想されるため、Zoomを駆使しながら対面会議も行い、アンケート内容をブラッシュアップする。そのうえで、アンケート調査を実施する。また研究メンバーも新しい大学へ定着すると考えられる。さらに人員の不足は、本研究の手法であるデルファイ法の第一人者を加えて充実させる予定である。
|