研究課題/領域番号 |
20K10659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新宮 美穂 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (70594472)
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研究分担者 |
小林 剛 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (50528007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 臓器移植 / 生体肝移植 / ドナー / ダイエット / マージナルドナー |
研究開始時の研究の概要 |
生体肝移植において,ドナーの術前状態はレシピエントの術後成績の重要因子であるが,深刻なドナー不足のため過体重や脂肪肝を呈するドナーに頼らざるを得ない。術前ダイエットプログラム実施によるドナー状態の適正化はドナーの安全性とレシピエントの良好な術後成績に寄与する一方,身体的・心理的負担が予測され,介入の適用には慎重を期す。 本研究では,生体肝移植ドナーに対する術前ダイエットプログラムの効果と妥当性を多角的観点から検討し,エビデンスに基づくプログラムを作成することで,術前介入を要するドナーの適切な選定と効果的な介入を可能にし,ドナー不足解消と移植成績向上並びにドナーの安全性確保やQOL維持を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,生体肝移植ドナーに対する術前ダイエットプログラムの効果と妥当性を多角的観点から検討し,エビデンスに基づくプログラムを作成することで,術前介入を要するドナーの適切な選定と効果的な介入を可能にし,ドナー不足解消と移植成績向上並びにドナーの安全性確保やQOL維持を目指す。 令和5年度(2023年度)は,これまでに諸外国で実施されている生体肝移植ドナーに対する術前ダイエットプログラムに関する報告を精査し,対象者の選定基準やプログラムの内容,介入による効果等について分析した。その結果,脂肪肝と診断されたドナー候補者に対して介入が行われ,多くのケースでBMIの低下及び脂肪肝と肝機能の改善が観察されていた。プログラムの内容には,たんぱく質のコントロールを含む食事療法と有酸素運動を推奨する運動療法を組み合わせたものが最も多く見られた。その他,薬物療法を推奨する報告もあった。また,報告の多くは生体肝移植の割合が大きいアジア圏からであった。これらの地域ではその他地域と比較して非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率が高く,過体重ではなくても脂肪肝になりやすい傾向にあることから,適切な介入による脂肪肝や肝機能の改善がドナー不足解消のために重要であることが考えられた。遺伝因子や環境因子等の観点から近しいと考えられるアジア圏からの報告は,日本人を対象としたプログラムへの応用も検討可能であることが示唆された。 諸外国で実施された生体肝移植ドナーに対する術前ダイエットプログラムに関する文献検討の分析結果については,27th East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS 2024) で発表した。 次年度は,新規生体肝移植ドナー候補者に対して,QOLや心理的側面を評価するための質問紙調査を実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
生体肝移植の新規ドナー候補者の内,脂肪肝が疑われる症例を対象に質問紙調査を実施予定であったが,質問紙の準備までにとどまってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
生体肝移植の新規ドナー候補者の内,脂肪肝が疑われる症例を対象に,術前ダイエットプログラムの効果と妥当性を前向き検証するため,質問紙調査を実施予定である。 得られた成果については,関連学会や学術論文等により,順次報告予定である。
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