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臨床研究コーディネーターにおけるモラルディストレス尺度を用いた倫理的悩みの検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K10666
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58050:基礎看護学関連
研究機関新見公立大学

研究代表者

井上 弘子  新見公立大学, 健康科学部, 助教 (00783656)

研究分担者 山本 智恵子  新見公立大学, 健康科学部, 准教授 (60591576)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード臨床研究コーディネーター / 離職意向 / 職務継続 / モラルディストレス / 倫理的悩み / 離職率 / 尺度開発 / 倫理的ジレンマ / 離職 / 臨床試験 / コミットメント
研究開始時の研究の概要

臨床研究コーディネーター(Clinical Research Coordinator:CRC)は未承認の薬剤を被験者に投与する新薬開発の最終段階に携わり、被験者・医師・製薬会社間の調整役を担っている。CRCが臨床試験に携わることで、被験者は安心して臨床試験が継続でき、医療者のストレスの軽減に繋がっている。現在の新薬開発は早期承認のためにスピードが重要視されてる。スピードと被験者の安全性の双方を保つことを求められるCRCは「倫理的な悩み」を感じており、この感情が高い離職率と関連しているのではないかと考えた。今回、CRCの「倫理的悩み」についての調査と共に、離職や健康への影響も検証する。

研究実績の概要

【概要】新薬開発において臨床研究コーディネーター (CRC)は、専門的知識のもとに被験者・医師・依頼者間の調整役を担う存在であるが、医療系の職種の中では高い離職率である。CRCは「自己の倫理的価値や原則に基づいて正しいと考える意思決定したが、制度・組織の方針で実行できない時に出現する道徳的悩み(モラルディストレス)」を感じることが離職に繋がっていると考えた。そこで日本のCRCと同様の役割である米国のフロントラインスタッフを対象に開発された「モラルディストレス」尺度の日本語版を開発し、離職や健康への影響についての調査を目的としていた。
1)CRCに関連した文献のレビュー
尺度作成にあたり、日本と海外のCRCに関連する文献レビューを行った。CRCの離職に関連した研究は日本では発表されておらず、海外文献のみであった。環境因子としては仕事量と休日勤務、精神面として不安やバーンアウトが明らかにされていた。日本のCRCに関連する文献数は132であり、CRCが誕生後の約10年間はCRCの活動報告が多く、並行して被験者や医療者に対してのCRCの介入での調査報告であった。2010年以降はCRCへの意識調査が行われている。経験年数が3年以上のCRCは仕事にやりがいを感じ、離職意向が少ないものの、キャリアパスがないことに不安を感じていた。
2)研究計画の再検討
日本のCRCに関連した文献レビューより、当初は現状報告が多かったが、徐々にCRC自身の環境やキャリアに焦点を置いた研究がなされているものの文献数は少なく、CRCを継続するための環境や精神面についての研究も乏しい。そこで、当初の予定であった米国の「モラルディストレス」尺度の日本語版が現在の日本のCRCに該当するか事前調査を行った。「モラルディストレス」が理由での退職者はあまりいないとう意見を得た。そのため、計画の再検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の目的である日本のCRCと同様の役割を担っているアメリカのフロントラインスタッフを対象に開発された「モラルディストレス」尺度の日本語版の作成にむけて、日本語に翻訳した尺度の項目について臨床で活動しているCRCとCRCを派遣している治験施設支援機関(SMO)の管理職、そして複数の研究者へヒアリングを実施した。CRCの離職理由としては「認識していた仕事と違っていた」「家庭と仕事の両立が難しい」「人間関係がうまくいかない」などが多く、医療機関での被験者対応における「モラルディストレス」が理由での退職希望者はあまりいないとう意見を得た。そこで「モラルディストレス」の蓄積がバーンアウトや離職につながるという仮説をリセットして、「離職意向から職務継続につながる要因」をCRCへのインタビューを通して明らかにしていく方針へ変更したため。

今後の研究の推進方策

日本におけるCRCの離職意向から職務継続につながる要因」の研究テーマとして2023年1月に上記研究テーマで倫理審査委員会の承認を得て、研究を開始している。予定している対象者数へのインタビューはおおむね終了し、内容分析を進めている。今年中にCRC特有の離職意向や職務継続につながる要因を明らかにしていき、年度内には論文を発表していきたいと考えている。この結果をもとにCRC の定着につながるシステムづくりにむけて、CRCの離職の要因調査と継続につながるサポート体制についての量的調査へ移行できるよう質問紙を作成予定。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 臨床研究コーディネーターの離職とバーンアウトに関する文献レビュー2023

    • 著者名/発表者名
      井上 弘子
    • 学会等名
      CRCあり方会議 2023
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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