研究課題/領域番号 |
20K10679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 令和健康科学大学 (2022-2023) 産業医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
辻 慶子 令和健康科学大学, 看護学部, 教授 (60336188)
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研究分担者 |
内田 真優美 (甲斐 真優美) 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (60849701)
岩田 直美 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (70803261)
児玉 裕美 令和健康科学大学, 看護学部, 准教授 (80584515)
下條 三和 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90586299)
笹木 葉子 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (90593559)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高齢者 / 羞恥 / 介助レベル / 介護を受ける場所 / 看護学生 / 理学療法学生 / 恥 / 高齢者施設 / 組織風土 / 高齢者福祉施設 / 自立 / 日常生活行動 / 健康維持 / 職場風土 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は「高齢者になる」というより「高齢者に作り変えられる」現象が生じ、健康問題が生じていることが考えられる。「高齢者に作り変えられる」現象は、「衰えやうまく使えない身体を他人の目にさらす」ことに羞恥を感じることが要因であることが、研究者が行った調査で明らかになった。今回、高齢者が感じる日常生活での羞恥場面の減少を目指し、行動範囲の狭まりの進行を遅延させ、健康を維持できるようにするために①高齢者と高齢者福祉施設勤務者の日常生活での羞恥場面の調査②高齢者の主観的健康感の測定③高齢者福祉施設の組織風土の測定を行い、羞恥場面との関連を検討し、高齢者の行動範囲の狭まりを予防するための手段を考察する。
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研究実績の概要 |
高齢者の尊厳を支える援助として羞恥への配慮は欠くことができないものである。そのため、看護場面において対象者の羞恥に対する思いを理解し、配慮することは同然のことである。著者らは、援助時の対象者の羞恥に対する思いを把握するために高齢者の診察や援助場面での羞恥について調査を行った。その結果、高齢者の羞恥が看護師より低い結果であった。高齢者は援助してもらっているという思いから「恥ずかしい」とは言えない、また、身体的な衰えを他者に見られることが恥ずかしいと思っていることが推察された。そこで、高齢者の羞恥が低い状態は、「身体的な衰えを人に見られることがなく、さらに自立に近い状態での援助」が望ましいと仮説を立て、調査を行った。高齢者福祉施設において介護を受けている入居者と介護者に自宅と施設という「介護を受ける場所」の違いと施設において「見守り」「全介助」の介助の違い(以下「介助レベル」の違い)による羞恥の強さを明らかにした。「介助を受ける場所」の違いにより見守り支援の羞恥については、入居者と介護者の入浴・排泄・食事・歩行の見守り介助において、入居者が最も強く恥ずかしさを感じるのは、自宅と施設での排泄の見守りであった。介護者の最も強い恥ずかしさは、排泄の自宅での見守りであった。施設での「介助レベル」の違いについては、入居者は、入浴・排泄・食事・歩行の「介助レベルの違い」において、羞恥に差は見られなかった。介護者は、入浴介助(p<0.02)と食事介助(p<0.00)において、見守りより全介助が有意に恥ずかしいことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究の進捗状況が遅れている理由は2つある。第1にコロナの感染の影響で調査施設の受け入れが悪く、調査に時間を要したことで、まとめに入る時期が遅くなってしまった。第2は、新設大学へ移行したことにより、開学の準備から開学後においても大学の業務に多大な時間を要していることから研究の時間が取れない時期があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、調査結果から高齢者が羞恥を感じる日常生活の場面と高齢者福祉施設勤務者が捉える高齢者の羞恥場面の違いを明確にする。そして、高齢者が羞恥に対して諦めて援助を受けるのではなく自分の気持ちを表現できるような援助になるように援助方法の改善へつなげていきたいと考える。また、高齢者福祉施設が自施設の職場風土の特徴を客観的に把握することで職場環境の改善の対策も講じることができるように進めていく。
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