研究課題/領域番号 |
20K10685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 智子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70324514)
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研究分担者 |
井村 香積 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (00362343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 葛藤認知 / リハビリテーション病棟 / 看護師 / セラピスト / 葛藤対処方略 / 多次元共感性 / 回復期リハビリテーション病棟 / リハビリテーションチーム / 集団内葛藤 / 対処方略 / 共感性 / リハビリセラピスト / 医療チーム / 多職種協働 / 視点取得 |
研究開始時の研究の概要 |
チーム医療では質の高い医療が提供できるという成果が期待できる一方、チーム内の葛藤の存在が弊害として報告されている。医療チーム内の葛藤は、否定的なイメージで取り扱われているが、その実態や影響について実証的には明らかにされていない。社会心理学では「集団内葛藤」として、葛藤の特性や対処行動、集団の成果との関連が検討され、葛藤には否定的影響だけではなく、肯定的影響もあることが示唆されている。チーム医療においても葛藤の肯定的影響が示されれば、チーム医療の質向上に貢献できるのではないかと考える。
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研究実績の概要 |
目的:回復期リハビリテーション病棟の看護師およびセラピストの共感性と葛藤対処方略の選好から集団内葛藤の認知への関連を示したモデルを検証し、職種による違いを明らかにすることである。 方法:集団内葛藤対処モデルを作成し、看護師およびセラピストそれぞれのモデルに対して共分散構造分析を行い、モデルの違いを比較した。 結果:調査の対象は看護師221名、セラピスト243名であり、6割弱が集団内葛藤を認識していた。それぞれのモデルに対して共分散構造分析を行った。両モデルともに葛藤対処方略から葛藤認知への影響が低く、モデルの適合度も低かった。2つのモデルの違いは、共感性から葛藤対処方略への影響において、看護師モデルでは両方の方略に高い影響があるのに対し、セラピストモデルでは課題葛藤処理方略への影響が低かった。また、共感性の下位尺度においてセラピストの視点取得の影響が極端に低いことが示された。 結論:本研究の葛藤対処モデルでは、共感性から葛藤対処方略への一定の影響は示されたが、モデルの適合度は低く葛藤対処方略から葛藤知覚への影響が低いことが原因ではないかと考えられた。看護師とセラピストでは、共感性の視点取得の影響が異なる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究成果を海外の学会で発表することを計画していたが、コロナ禍の影響もあり、海外での発表を取りやめることとした。その代わりに、英語論文として海外の雑誌に投稿することにしたため、大幅に引用参考文献を英語文献に入れ替えたことから、かなりの時間を要したために遅れとなった。
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今後の研究の推進方策 |
英語論文としての投稿準備ができ、現在、論文投稿中である。査読を経て、論文掲載へとつながるように最大限に努力する。
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