研究課題/領域番号 |
20K10693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
中西 永子 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (10843013)
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研究分担者 |
坂下 玲子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (40221999)
小野 博史 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (70707687)
新居 学 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (80336833)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 電子カルテ / ベテラン看護師 / 新人看護師 / 情報探索行動 / 看護師 / 看護情報 |
研究開始時の研究の概要 |
優れた実践を行っていると評価されている看護師と新人看護師を対象に電子カルテより看護師が閲覧し情報収集する内容を、視線計測機を用いて検出し、比較する。情報収集後にインタビューを実施し、何を思考し情報収集を行っているのか、患者の全体像はどの程度把握できたのかを確認する。閲覧された電子カルテの場所の分析とインタビューの内容分析を行い、その結果を基にして看護情報提供モデルを構築し、検証を行う。検証は、電子カルテからの総情報収集時間の短縮、検索等空白時間の短縮、看護師が把握した情報の量と正確性で行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、「優れた看護実践に必要な情報は何か」が、学術的に明らかにするために、良い実践を行っている看護師はどのような情報を、どのような順番で、どのような思考パターンで情報を収集しているのかを明らかにし、どのように情報提供をすれば看護実践に必要な情報を効果的・効率的に収集できるのか試作モデルを作成し検証することを目的にしている。情報収集時間はベテラン群より新人群が長く、有意差を認めた。要因は、「看護記録」の平均注視時間にあった。新人群は経験値が低く、難しい内容の記録は読むスピードが遅くなること、必要な情報を取捨選択できないこと、複数回見直す作業を行うことから注視時間が長くなったと考えられる。またベテラン群と新人群では必要とする情報収集の範囲に違いがあった。ベテラン群は画面を切り替えて必要と考える情報を広く収集していたが、新人群は特定のエリアを集中的に、時間をかけて情報収集を行なっていた。「薬物療法」、「診断」に関する情報収集量はベテラン群、新人群ともに同等であった。特に「薬物療法」は両群とも情報収集量が多かった。ベテラン群の情報収集パターンは、患者の病状など状態について最初に情報収集する「状態把握優先型」と、本日行う処置など業務上必要な情報を最初に収集する「業務情報優先型」がみられた。状態把握優先型と、業務情報優先型の情報収集時間に違いは見られなかった。2023年度は研究協力病院の全SOAP記録についてテキストマイニング分析を用いて分類を試みている。SOAP記録の中で最も多く書かれている記録を中心として看護師が「読みたい記録」は何かを明らかにすることを計画している。「読みたい記録」は何かの結果と、情報収集パターンを合わせ、情報収集しやすい看護情報提供モデルシステムの構築と評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始当初は予定していなかった計画を追加したため遅れている。2023年度は研究協力病院の全SOAP記録についてテキストマイニング分析を用いて分類を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は看護師が「読みたい記録」は何かを明らかにすることを計画している。次に「読みたい記録」は何かの結果と、情報収集パターンを合わせ、情報収集しやすい看護情報提供モデルシステムの構築を行う予定である。システム評価は、新たに構築した情報収集しやすい看護情報提供モデルシステムと既存の電子カルテからの情報収集を比較し、得られた情報の量、情報収集にかかった時間、情報収集の範囲の違いを明らかにすることを予定している。
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