研究課題/領域番号 |
20K10699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
中原 るり子 共立女子大学, 看護学部, 学部長 (90408766)
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研究分担者 |
尾立 篤子 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50736973)
櫻井 美奈 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (90363845)
中村 昌子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 教授 (80528894)
山住 康恵 共立女子大学, 看護学部, 准教授 (30553052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 災害訓練 / HICS / 看護 / 災害 / 危機管理 / 災害対策 / 看護管理 / 自然災害 / 医療組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、巨大災害時(地震・台風・感染)における看護組織の危機管理体制の基盤を整備することを目的としている。 巨大災害時は、病院にとってもいわゆる「通常業務」の管理の枠組みでは対応できない場合が多い。巨大災害時は、増加する医療へのニーズへの対応以外に、院内の複数の業務の調整を余儀なくされる。 本研究は、医療崩壊の防止を目指して、米国で開発されたHospital Incident Command System:HICS(病院有事統制システム)を参考に、巨大災害時における災害拠点病院の危機管理体制と緊急事態管理プログラムを検討し、その効果と課題を検証する。
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研究実績の概要 |
2022年度の目標は、従来のHospital Incident Command System :HICSの成果と課題を明らかにし、協力病院におけるHICS導入後の準備状態やリスクを明らかにすることである。しかしながら、コロナ禍の影響が続き、大規模対面での訓練が中止され、小規模な訓練にならざるを得なかった。そこでHICSと同様に災害対応訓練として近年注目されているエマルゴを実施し、HICSとの違いを検討した。 エマルゴは、エマルゴキットと登録されたインストラクターの下で参加者が研修を受講するものである。コロナ禍で大規模な対面訓練が難しい中、机上シミュレーションへの期待が高まり、2022年度研究協力病院では、エマルゴを実施した。傷病者の想定は、発災日24時間の来院患者を400名、6時間で93名が搬入されるというものであった。また、傷病者数の想定は現実的なものとなるように、過去の災害のデータを活用して設定した。 今回の訓練を通して、待機ベッドの確保や入院調節ポストの確保が有効であることも示唆された。エマルゴは設定された病床数・増床数・職員数など限られた資源を用い,訓練上の時間経過に応じて変化するニーズに対応することが求められる。設定された対応法の妥当性の検討や避けられた合併症や死についても検討ができ、短い訓練の中で、現実的な課題が明らかになった。参加者の評価も高かったが、エマルゴはロイヤリティを支払う必要があるため,費用負担が課題となると考えられた。 HICSもエマルゴも訓練の効果を高めるためには、リアリティのある設定と訓練されたファシリテーターが必要であるという点や一定のコストがかかる点が共通していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響が続き、大規模対面での訓練が中止され、小規模な訓練にならざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
Hospital Incident Command System :HICSを実施した経験のある関係者または、HICSを実施し、継続している病院の関係者から、HICSの現実的な課題を明らかにする。 また、HICSの訓練に参加し、効果的な訓練に向けた工夫を抽出する。 さらに、アメリカにおける訓練の実際を視察し、HICSが機能するための研修にも参加し、要点を整理する。 その上で、次年度国内の病院で実装し、課題を明らかにする。
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