研究課題/領域番号 |
20K10704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
竹田 恵子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (40265096)
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研究分担者 |
上野 瑞子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 准教授 (00808230)
實金 栄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (50468295)
小薮 智子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (70435345)
井上 かおり 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (70771070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 認知症高齢者 / 日常倫理 / 急性期病院 / 看護管理 / 認知症ケア / 看護管理システム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、身体疾患の治療のために急性期病院に入院する認知症高齢者が増加しているが、看護師は認知症高齢者へのケアに困難感を伴い、認知症高齢者は安全な治療遂行が優先されることで、尊厳が脅かされやすい状況にある。日々繰り返されるケアには看護師の価値判断が反映されることから、日常倫理に基づくケアの提供は認知症高齢者が尊厳の保たれた入院生活を送るうえでの鍵となる。しかし、組織文化として定着することは難しく、その看護管理実践の在り方は明らかになっていない。本研究では、アクションリサーチにより、急性期病院において認知症高齢者への日常倫理に基づくケアが組織文化として定着するための看護管理システムを構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は急性期病院における日常倫理に基づく認知症ケア定着に向けた看護管理システムの構築を目的としており、今年度はアクションリサーチを展開した。また、急性期病院の病棟看護管理者を対象とした質問紙調査の分析を昨年度に引き続き実施した。 アクションリサーチは、A病院3部署の病棟看護管理者と研究者が研究グループを結成し、準備期間を経て実践を開始した。病棟看護管理者は、実践者として自部署の認知症ケアの現状を踏まえ、日常倫理に基づく認知症ケアの実現に向けた「願い」を明確にし、それを自部署の看護管理目標の1つに挙げて1年間の勉強会を企画・運営した。研究参加と進め方について病棟スタッフに周知し、勉強会への参加を促した。さらに研究グループメンバーで月1回開催される合同会議にて勉強会の開催状況とスタッフの反応、日頃の認知症ケアにおけるスタッフの変化などについて報告し共有した。勉強会の実施状況はコロナ禍の影響もあり部署により差があった。現在、予定した勉強会を終えたところである。 質問紙調査は、病棟看護管理者の所属部署における認知症ケアに関連した目標管理の有無に着目し、病棟看護管理者が認識する認知症高齢者への看護実践力の違いについて検討した。その結果、目標管理あり群はなし群に比べて看護実践評価尺度の総合点および、「認知機能と本人に合わせた独自性のあるケア」「起こりうる問題を予測した社会心理的アプローチを含めたケア」の2因子において下位尺度得点が有意に高かった。認知症ケアの看護実践力のボトムアップを図るためには、病棟看護管理者が目標管理に認知症ケアを盛り込み、病棟運営をする必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の中、アクションリサーチの開始が遅れたため、データ収集・分析が令和5年度にずれ込むこととなった。また、質問紙調査についても分析できていないデータがあり、研究成果発表が予定通り進んでいない。以上のことからやや遅れているという進捗状況として報告する。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年となる。アクションリサーチについては、月1回研究ミーティングを行い、計画的に研究を進める。具体的には各病棟担当の研究者が中心となり、データを整理・分析する。さらに研究代表者が中心となり、3部署の結果を統合し、考察を加える。また、質問紙調査の分析をさらに進める。成果発表についても学会発表及び論文投稿を計画的に実施する。
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