研究課題/領域番号 |
20K10729
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
原 頼子 久留米大学, 医学部, 教授 (60289501)
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研究分担者 |
田尻 祐司 久留米大学, 医学部, 教授 (80469361)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 慢性看護 / 慢性期看護 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者への療養支援チームアプローチはセルフケア能力向上に有益で様々な取り組みが報告されている。しかし、がん治療中の糖尿病患者は、薬剤選択の制限による効果発現への不安や、症状緩和の薬剤から生じる血糖のアンバランスを経験し、セルフケア継続が難しくなる。そこで、本研究は、がん治療中の糖尿病患者の現状や治療に抱く思いを知り、血糖コントロールへの影響要因を明らかにし、チームによるセルフケア支援を実践・評価するための基盤となるがん治療部門、内分泌代謝内科部門の連携システムを構築することである。このことにより、がん治療中の糖尿病患者が有効で安全な化学治療を継続でき、QOLの維持・向上につながると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、がん治療中の糖尿病患者の体験を知ることから、血糖コントロールに影響する要因を明らかにする。がん治療中の糖尿病患者のセルフケアを支援するための方策を実践・評価することからがん治療部門、内分泌代謝内科部門の連携システムを構築をすることである。 がん治療中の糖尿病患者が血糖コントロールを含めた日常生活の過ごし方に困難を感じているのではないかと療養指導時に実感することがあった。そこで、がん治療中の血糖コントロール継続に影響する要因を明らかにできると、糖尿病療養支援チームのより良い在り方について考えることはできるが、がん治療分野における患者の困りごとの実態はつかめていない現状がある。 当初、がん治療中の糖尿病患者の経験を明らかにし、そこからがん治療中の糖尿病患者の血糖コントロールに関するセルフケアに影響する要因を探るための仮説を考えることとしていたが、コロナ禍による患者の治療控えや、研究倫理に向けてインタビューという方法をとることを考慮したこともあり、経験を直接的に知ることが困難であった。そこで、文献による患者の体験を明らかにすることを試みた。2020年~2022年はコロナ禍であり、報告論文の数は少なく、過去の文献を20編読み込み、概念分析を進めている。 これから、患者の体験をもとに、がん治療中の糖尿病患者はアンケート調査を実施し、影響要因について分析を行い、その要因を解決するための方策をセルフケアの視点、エンパワーメントの視点でケアを実践・評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献による患者の体験を明らかにするために、2020年~2022年はコロナ禍で報告論文の数は少なかったが、過去の文献と共に20編読み込んだ。 そこから患者の体験として明らかになったことは、患者の体験の中でがんの治療が血糖コントロールより優先されている現実であった。患者は今までセルフケアできていた血糖コントロールではない、がん治療という新たな体験をすることに戸惑いながらも受け入れようと奮闘していた。副作用による食欲不振時には、栄養士に相談したり、家族の協力を受けたりしながら思い通りにいかない血糖コントロールに焦る気持ちを抱き、その時に誰にどのように相談したらよいのか不安であったこと等の体験が見いだされた。加えて、その時に患者から相談されたり、つらい気持ちを表出された時の医療者の困惑を述べた論文も見られた。患者の体験内容については概念分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
患者の体験を知ることと、医療者側からの困りごとを知ることを通し、本研究の目的であるがん治療分野と糖尿病療養分野間との連携システムを考える時に、外側のシステムを整えることだけでは患者中心のものとならないことを気付くことができた。今後は、医療者の知識の現状を知り、知識向上のための方策を実施し、患者の支援を整えることがなくては本当の連携システムにならないと考え、患者と医療者双方向の支援体制を検討することも考えていく必要がある。
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