研究課題/領域番号 |
20K10730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小池 純子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部, 室長 (00617467)
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研究分担者 |
藤井 千代 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部, 部長 (00513178)
菊池 安希子 (滝田 安希子 / 菊池安希子) 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (60392445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 触法精神障害者 / 長期入院 / 医療観察法 / 重度かつ慢性 / 患者参画 / 重度精神障害者 / 処遇困難者 / 重度慢性患者 / 精神科入院医療 / 長期入院者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「臨床上の重度かつ慢性患者」と医療観察法対象者の特性について、両者の相違の本質を明らかにしながら、処遇困難例に対する効果的な治療及び支援に寄与する基礎資料を得ることを目的とする。また、「重度かつ慢性」患者の典型例には様々なリスクを有することが想定されているため、リスクアセスメントを導入し、臨床的な効果も検討する。 研究結果は患者、職員双方に開示し、その解釈や臨床的意義について研究者、患者、職員が話し合い、今後の臨床実践への応用を図る。
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研究実績の概要 |
本年度は、精神障害が重度かつ慢性となっている精神障害者と、医療観察法対象者の臨床的な特徴を探索的に検討し、医療観察法対象者との共通点と相違点、および臨床経過を明らかにすることを目的として実施していたカルテ調査を完了し、結果をまとめた。 調査は、2020年11月から2021年11月までを調査期間とし、長期入院や入院後に引き続き問題行動を行うことが多い病棟(病棟1)と、医療観察法病棟(病棟2)に在院中の男性患者、計60名であった。重度慢性病棟の平均入院日数は4001±3779.2日、平均年齢は52.4歳、医療観察法では769.7±493.6日、45.4±12.4歳であった。対象者の診断は統合失調症が約8割で最も多く、知的障害が約4割、発達障害が1割強に見られるところに両者の相違はなかった。過去の入院経験を持つ割合にも差はないが、重度慢性病棟患者では、過去の入院回数は6.9±4.5回、入院総日数は1991.7±2277.8日と長かった。また、過去に重大な他害行為歴のある者が多く(P=0.001)、BPRSの陰性症状、「敵意」「猜疑心」が重度であり、身体的暴力、言語的暴力を「月に1-2回以上」行う者は、それぞれ45%、25%に認められた。 計画していた医療機関におけるインタビュー調査やリスクアセスメントの調査は、コロナの影響により実施ができなかった。このため、専門職による意見交換を行った。 文献調査については、本年度は、医中誌に掲載されている、医療観察法における入院・通院処遇上で、職員の困難に着目した文献整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症の影響で、医療機関における調査が困難であるため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルスの感染症レベルの引き下げにより、今年度は実施可能であることが見込まれる。
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